Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

74日目(12月13日 金) レバノンとDHL

レバノンとDHL

金曜日は毎度おなじみTeePartyがメインイベントです。
今日のTeePartyは文字通りのTeePartyで、前回のような折り紙などのアクティビティはありませんでした。前回は折り紙に熱中しすぎてあまり交流が図れなかったこともあり、むしろ何もなくただのおしゃべり会という方が自分にとっては楽しくもあり、また気楽でもありました。

今日は、いつも話しているJさんではなく、別の学生Yさんとお話しさせていただきました。
Yさんは声楽を修めている方だそうです。テノール歌手だとのことでしたので、どんな役をやったことがあるのか尋ねてみたところ魔笛のタミーノが真っ先に挙がりました。魔笛はお気に入りのオペラなので色々聞いてみたかったのですが、「アレは難しい役だ」という以上の情報は得られませんでした。

YさんはJさん同様かなり日本語を話すことができます。将来の夢は日本で歌手デビューすることらしく、ソニーミュージックでCDを出したいと仰っていました。野望に向けた活動は既に進行中のようで、日本語で作詞・作曲した歌があるのだそうです。
興味があったので、早速聞かせていただいたのですが(音源がPCに入っていました)、声がきれいだということ以上に、日本語の発音がはっきりしていて驚きました。
Yさんは「外国人的発音になってなかった?」としきりに気にしていましたが、クリアで聞き取りやすく、スムーズに理解できました。

夜は以前行った水タバコのお店「バー レバノン」にて集まりがあるとのことだったのですが、自分は来週テストがあったため遠慮させていただくことに...しようと思ったのですが、今回はいつもより多くの人が集まるようでしたし、「せっかくだし行こうよ」とお誘いいただいたので、「ノルマが終わったら行く」という条件付きで参加させていただくことにしました。


今日はテスト勉強に加えてもう一つやらねばならないことが。DHLへの電話です。先日電話した際に、「今週中に手紙が届くから」との情報をいただいたのですが、本日金曜日になっても結局届かなかったのです。
前回も書きましたが、私は日本語であっても電話をかけるのは勘弁してほしいと思うくらいのテレフォンフォビア...略してテレフォビアなので、いっそ電話を掛けるくらいなら窓口まで行って直接お話しさせてほしいと思ったのですが、現在の状況だと荷物がどこにいるのかもわからないため、どこへ行っていいものかすら分かりません。

諦めて電話をすると、対応時間外だったのか前回通じた番号につないだのにもかかわらず機械音声でお返事が。まだ別の番号へ回されました。この焦らし作戦はやめてほしいです。
そちらへかけ直すと、また機械音声?で「○○の方は1を、△△の方は2を押してください」というようなアナウンスがあったのですが、聞き取れなかったためそのまま放置していると「それではお繋ぎします」というアナウンスのあとに問答無用でオペレーターに繋がれました。選択肢の意味はなんだったのでしょうか。

前回同様、荷物の追跡番号を伝えて状況を確認してもらいます。あ、ちなみに今回も英語対応していただきました。
追跡番号を伝えたところ、オペレーターの方も「おや、これは発送してからかなり経ってるなぁ...」と困惑気味にぼやいていました。既に発送してから一か月が経過しています。「そうなんですよ、なんとかしてくださいよ」と言いたいところですが、どうにもならなそうでしたので、とりあえずどうすべきか尋ねたところ「とりあえず配送事務所からまた連絡を入れさせますので火曜日までお待ちください」とのことでした。今度こそ届くのだろうか...。

「分かりました。ありがとうございます。」と電話を切ろうとしたところ「あ、ちょっと待って。名前をもう一度うかがってもいいですか?」と止められました。外国人の名前は聞き取りずらかったのでしょう。
自分の名前を伝えた後で、アルファベットで一文字一文字伝え直していたのですが、電話口で「TってTheodorのTで間違いないですよね?」といった具合の質問をしてくるのです。
出ました、フォネティックコードです。
電話や通信におけるアルファベットの聞き取りミスを防ぐために、AlphaのA、BravoのB(英語の場合)といった具合に、コードが用意されているのです。
戦争映画やゲームの中でしか見た・聞いたことがありませんでしたが、一般的に使われているものであるようです。
しかも今回はドイツ版、「TheodorのT」などと言っています。英語版さえ知らぬというに、いわんやドイツ語をや。何とか伝えることはできましたが、今後のために自分の名前に使われているアルファベットくらいは覚えておこうかと思います。


さて、電話も一応滞りなく?終わりましたのでお勉強タイムです。
ノルマといっても今までまとめ損ねていた単語をとりあえずまとめておきたかっただけでしたので、集合時間には間に合いませんでしたがレバノンに顔を出すことはできました。

今回は初めて見るドイツ人学生もいました。今まで見た誰よりも陽気で、ハツラツとしたお兄さんでした。中国語を学んでおり、中国に行ったこともあるようで、日本と中国の違いなどを聞かれました。
「日本だと食事中に手で口を隠したりするよね?アレは面白い文化だ」とか、「中国だと電車の中で子供がおしっこをしたりする。親でさえもそれを止めることはできず、電車の揺れによって迫りくる尿を避けるのはスリリングだった。」とか、「タケシキャッスル!イェー!」とか色々お話ししてくれました。

風雲!たけし城』はドイツで放送されていたことがあるそうで、「日本ってことは『たけし城』だよね?」という風に、日本の代名詞のように言われたこともあります。

自分の年代では「たけし城」に詳しいわけもなく、「ああ、たけし城ね」という意外に話を広げる余地がないのですが、彼をはじめとしてJさんもCさんも「たけし城」は見たことがあるらしく、「あの難関最終ステージをクリアできた奴は今までにいるのかい?」というようなことを尋ねられました。こっちは、最終ステージって何のこっちゃ?というレベルです。
もし今後ドイツに行ってドイツ人と仲良くなりたいという方がいましたら、たけし城を押さえておくのも一つの手かもしれません。一つの共有できる話題にはなりそうです。

レバノンは、お店のマスター?のおじさんも陽気な方で、信じられないくらい気さくに絡んできます。帰り際には「日本語ではこういう時、店員はどう挨拶するんだ?」と聞いてきたので「『またお越しください』です」と答えると、何度か復唱して暗記し、他の日本人学生たちにしきりに挨拶していました。

「○○語で△△はなんて言うの?」というのは鉄板ネタです。とりあえず相手の母国語での挨拶などを尋ねることで仲良くなるというのは、簡単かつ面白いコミュニケーションです。

レバノンを出た後は、例のハツラツな学生さん主導で「ディスコに行こう!」という流れになったのですが、幸か不幸かディスコは既に閉まっており、そのまま解散となりました。
ディスコというとちょっと柄が悪い人が出入りしている場所、というイメージがあったのですが、こちらではそうでもないようで、生真面目なCさんやJさんもみんな行ったことがある場所であるとのことでした。一種の社交場なのでしょうか。

そんなわけで解散にはなったのですが、既に午前三時ごろという恐ろしい時間になっていました。こちらの人たちは遊びにも真面目ですね。一切手を抜かない姿勢に戦慄です。