Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

17日目(10月17日 木) 排水管問題の最終的解決と新たなる外交 スシ重点

実は昨日記事を書いた後、やはり気になってキッチンに水を流してみました。詰まったままでした。こりゃいかんと思いつつもどうしようもないので、残りのMr.Muscleをすべて流しこんでまたまた一晩放置することにしました。

もはや洗浄液のメーカーを変えたところで問題は解決しないのでは?と懐疑的になってきていたので、寝る前に色々調べてみたところ、トイレのつまりを直すアレ(ラバーカップというらしいですね)を使えば大抵のつまりは治るとの情報を発見しました。それどころか、洗浄液は使い過ぎると時に配管の部品を溶かしてしまい、さらに大きな問題の引き金ともなりかねないという情報を見つけてしまい、なんだか不安になってきました。

この一晩で治らなかったらトイレのアレを試し、それがダメならHausmeisterさんに相談しようと決意して眠り、翌朝水を流してみたところ...治ってました!ヤッター!

さすがMr.Muscle!いや、二日続けて洗浄液を流しこんだのが良かったのか、何にせよ遂に治りました!が、また詰まると困るので洗浄液とトイレのアレを念のために購入してきました。常に1本洗浄液を持っておくようにして、詰まり始めたら早めに対処するようにしようと思います。

 

結局買い物でまたまたCity Arkadenにやってきたので、お昼ごはんもここで食べたのですが、今日はかねてから入ってみようと思っていたお店を試してみました。

こちらがそのお店のチラシです。

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▲Sushi and more

Sushi and more...

more!? moreナンデ!?と思われた方が大半だと思いますが、このお店、実は寿司屋ではなくアジアンフード屋でして、寿司がメインなのかもしれませんがこれ以外にビーフンやらUdonやらDonburiなどを取り扱っているのです。今日ここへ来たのも、Sake-Teriyaki-Don(焼き鮭丼)に興味があったからなのです。

早速レジにて「Sake-Teriyaki-Don Bitte!」と注文したところ、え!?みたいな顔をされてしまい、何か確認しに行ったかと思ったら「ないよ」とのお返事。なんと...「じゃあTekka-Donは?」と尋ねると「それもないよ」とのお返事。Donburiは今どれもないとのことらしいのです。

かといって「じゃあいいです」で帰ってしまうのももったいないと思い、Sushi Menue 2を注文してみました。

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▲マグ...いやサーモンを。スシならサーモンが大好物なのです。

見た目も実に日本的アトモスフィアを醸し出していますが、味も日本のものと大差ありませんでした。ちょっと生暖かかったですが、そんなことは大して気にならないおいしさです。何だかんだで二週間近くお米を食べていなかったので、それもあってか安心感のある味に感じられました。

よく「日本では世界中の料理を食べることができる!日本スゴイ!」みたいな言説を耳にしますが、ドイツでもDönerやらスパゲッティやら、はたまたスシまで何でも食べることができます。先進国はどこも似たようなところを目指すのでしょうか。

 

今日はそれ以外にもう一つ食べ物話があります。

スーパーで瓶に入ったSauar Krautを発見したのです。Sauer Krautというのは簡単にいえばキャベツの漬物なのですが、ドイツの料理として極めて有名なこともあって一度食べてみたかったのです。今までドイツに来てから一度も目にしていませんでした。日本のレストランで食べたこともありましたが、ジャパナイズされたものと本場は違うだろうと考えていました。

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▲ついに出会えたSauar Kraut

少しつまんでみたのですが、僕は気に入りました。ドイツに行った友人に話を聞いた際に「キャベツがマズイくらいしか食事に関して感じたことはなかった」というような話を聞いていたので、そんなに変わっているのだろうかと思っていましたが全くそんなことはありませんでした。どうやらその友人がキャベツ嫌いだっただけなようです。味覚は人それぞれですからね。

日本のレストランで食べた物ともほぼ変わらなかったですし、これはいいものを見つけました。食物繊維の供給源開拓です。

 

今日は木曜日ですので、先日ちらっとお話していたイベントが夜に控えていました。20時から大学の学食上階の喫茶・バーのようなところ(Uni Kneipといいます)にて開催されるAPEROです。APEROとは軽食付き座談会?のようなものと聞いていたのでビクビクしながら顔を出して見ると、普通の飲み会といった雰囲気でした。

今回は積極的にいろんな人に話しかけてみようと思っていたので、入口付近にたむろしていた方たちに挨拶をしてみるとフレンドリーに自己紹介をしてくれました。彼らはインドから情報技術関連のことを学びに来た学生だそうです。

そんなわけで、インドの学生たちの輪に混ぜてもらいました。外国の名前を覚えるのはとても難しいです。ジョンとかサムとかならいいのですが、インドの名前となると発音することすら難しい...次にあった時名前を呼べる自信がありません。

インド映画の「ロボット」見たよ!といったら「ああアレね!」というような反応がかえって来ました。一応インド内でも有名だったようです。スーパースターラジニカーントはどれほどのスーパースターなのか聞いてみたかったのですが、機会を逸しました。次に会う事があったらそんな話もしてみたいなぁ。

途中でドイツの国際交流サークルの学生とも話をする機会があり、そこでも色々お話を聞くことができました。彼は英語と政治の勉強をここWuppertalでしているとのことでした。政治なら自分が興味を持っている戦後史なども少し絡むのでは?と思い、そっち関連の話を色々ふってみました。

ドイツはEU圏内の国々とは非常にいい関係を結んでいるようですね。「アジアにはEUみたいなUnionはないの?」と不思議がっていました。「昔日本がGreat Asian Unionを作ろうとしてエライ事になったよ。戦争の名目みたいなものだったからだけど。」とお伝えしましたが、色々語弊があるかもしれません。でもこういう話を外国の学生とするのは面白いですね。思想的・歴史的ベースも違えば観点も全く違うので、話している中で考えさせられることも多かったです。もうちょっと深い話をしてみたかったですが、英語力と知識が足りませんでした。何より飲み会の場にふさわしくないような気もしますし。

他には、西ドイツ時代の首都であったボンにいったらきっと面白いぞ!というようなオススメをいただいたりしました。ちなみに彼はボンへのそういったテーマ付き旅行を留学生向けに計画しているようで、「計画が完成したらFacebookでお知らせするよ」と言ってくれました。最近は何でもFacebookですね。ありがたいような恐ろしいような...。

 

そういえばここでも共通言語は英語です。

どうでもいい話なのですが、僕は中学・高校時代は英語が大嫌いでした。単純に授業についていけなかったのが理由なのですが、それを正当化する為に色々理屈を考えたりもしていました。

「英語が世界で共通言語面していられるのは、英国人が流刑地にした豪州で先住民を殺戮して国を作り、そして英国からの離反者が大陸で先住民を殺戮して国を作り、それらの国々がアジア各国を植民地化し、英語教育を施した結果である!英語は確かに学ぶことが比較的容易でシンプルな言語かもしれない。しかしそれも植民地にて教育することが容易であったことを考えれば何とも皮肉な話...!!あぁ英語!帝国主義的言語!!」

みたいなことを真面目に考えたりもしていたのですが、大学に入ってから何かとその帝国主義的言語に助けられています。実用性だけ考えるならば、いっそ世界を植民地化してエスペラント語が目指した理想を体現してほしかったくらいですが、そうなると少数言語によってかろうじて表現されていた各国の地形・景色・気候・思想・感情などが表現とともに消え去りそうなので、それはそれで困りものです。

「言語の壁は面倒臭いからこそ乗り越えた時の快感がある」というのが大学に入ってから自分を納得させる為に考え出した理屈です。英語でネイティブの先生とコミュニケーションを取る事ができた時は、何よりもまず嬉しさを感じました。”受験勉強”と思って英語に取り組んでいた時は憎さしか感じなかったというのに。案外そんなものなんですね。

ならドイツ語の壁も早々に乗り越えていてしかるべきなのですが、まだ壁をよじ登り始めたばかりという程度のレベルなのが情けない話です。ですがそれこそ乗り越えた時の快感もひとしおのはずです。ただ、ドイツの壁を壊すには時間がかかるのです。

 

何にせよ、少しでも英語が話せてよかった。中学高校時代に嫌々ながら勉強してきた遺産がここで生きているというのは複雑な気分ですが、ここで英語もできなかったとなったら完全に孤立して意気消沈していた可能性もあります。

社会の国際化の波に乗るためには英語は必須!というような言説は胡散臭く感じてしまいますが、それでも多少話せると便利なものは便利ですね。

でも、国際語というのなら必ずしも英語である必要性はないわけで、日本のご近所さんのハングルや中国語を学んだって問題はないと思うのです。なぜ中学・高校は英語縛りなのか...。その時期から興味のある国の言語を学ぶ機会があったっていいのにな、とも思います。だったら自分で学べばいいじゃん!ということなのかもしれませんが、外国語の授業が英語だけである以上「外国語といえば英語」という考えに偏ってしまいそうです。

それが原因で、英語が出来れば国際人!みたいな考えにも至りそうでエセ・コスモポリタンを量産しそうでもあります。そもそもコスモポリタンがどういう人間を指すのか未だによく分かりませんが、少なくとも自分はコスモポリタンではないと思っています。外国の文化や思想に通じているわけでもありませんし。よく分からないですね、英語も国際社会も。

 

 

話がそれましたが、そのドイツの学生と話した後は、初日のガイダンスで少しだけ話をしていたスロヴァキアの学生を見つけたので彼にも話しかけてみました。彼はアメリカン的なパーティテンションはあまり好きではないのか、1人ひっそりと座っていたのですが、話しかけてみたところ非常に好意的に迎え入れてくれました。もしかしたらちょっとシャイなのかもしれないですね。他人の事言っていられませんけど。話しかけてみて良かったなと思いました。

参加してみる前は色々不安に思っていましたが、参加して良かったです。先日のガイダンス以来学生と話す機会がなかったため、最近はお店でのやり取り以外会話らしい会話をしておらずMy worldに引きこもりがちでした。買い物のために外出はしていましたが、すべて自分の居住環境を整えるものばかりでしたし。

一人でいることが悪いことだとは思いませんが、外交的な姿勢を常に持っておくことも大切なのだと思います。誰とも関わらずに完全に1人で生きていくことなどできませんし、何だかんだで誰かと話していると楽しいものです。

言葉が良く分からなかったとしても、1人で部屋にいる時と比べて気持ちが楽でした。”気が休まる”という意味では家でのんびりしていた方がいいですが、そういう物理的な居場所の他に、精神的な居場所を確保するためには自分の殻にこもるよりも色々な人たちと関わっていった方がいいように思います。話せる相手がいるという安心感は素晴らしいものです。今日それが改めて分かりました。

そしてそのフィールドを作るのが上手いという意味で、やはりヨーロッパ勢のコミュニケーション力は凄まじいと思いました。インド人もまた積極的にコミュニケーションを取っていたので、”ヨーロッパ勢”という言い方は正確ではないかもしれませんが、外国人という言葉で括るのも何か違う気がするので何と表現していいものか迷います。とにかく皆スゴイです。(小並感)

 

そういえば、今日の会合で日本人の学生が結構たくさんいることを知りました。全部で7~8人はいたでしょうか?Wuppertal大学と交換留学協定を結んでいる大学は日本に3校あるのですが、3校すべての学生と出会うことができました。部屋もご近所さんだそうです。日本人同士で固まってしまうことは避けたいですが、何かあった時に日本語で相談できる相手がいると安心感が違いますね。

 

今日の結論は、「とにかく話す機会を大事にして繋がりを作っていくべし!」ということです。それが自分の精神的生存圏確保にも繋がると思います。今後も積極的に話しかけていく姿勢を持って生活していきます。あとはアレですね、「ザウアークラウトは美味しい」というのも今日の一つの結論でした。これもまた重要なことです。