Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

90日目(12月29日 日) 孫、襲来

孫、襲来

今日はMさんファミリーで集まって食事をするという予定が入っていました。
といっても、家に集まるわけではなく、ヴィースバーデンのレストランで会食ということです。そんなわけで、またヴィースバーデンに行ってきました。前回はじっくり観光できたわけではなかったのですが、改めて見てみると街並みがきれいです。

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▲風景

レストランは、写真右側の教会の裏手にある「Sports Bar」というところでした。バーといっても、昼間は食事メインの営業のようで、バイキング形式で料理を楽しむことができるようになっていました。

Sports Barというのはアメリカ発祥らしく、料理もアメリカ風のものが多かったです。しかし、そうはいってもここはドイツですから、ドイツ料理ももちろんありました。

ここでMさんのお孫さんたちとも再会しました。先日遊んでもらったこともあり、名前を憶えていてくれたのが嬉しかったです。そういえば、孫二号(7歳少年)は、初めて会ったときに「君は日本人だね?」と言い当ててきました。何でわかったの?と尋ねると「目を見ればわかるよ」との深いお言葉。町を歩いていると「中国人?」と尋ねられることもちょくちょくあるというのに、子供には何か特殊な能力でもあるのでしょうか。
...と思っていたら、今日話していて謎が解けました。「目が細い=日本人」という認識だったそうです。目を見れば...ってそういうことかい!

さて、この会の後はお孫さんたちをMさんの家に連れて行き、新年を一緒に過ごすことになっていました。ついでに息子さんも一緒です。

お孫さんたちは生意気ざかりの元気の塊と言った感じで、常に何かしていないと気が済まない様子でした。遠くから見ている分にはかわいいのですが、常に一緒にいるとなると大変そうです。
顔を覚えられえていたこともあって、積極的に話しかけてきてくれました。これもありがたいのですが、本当に休む間もなく話しかけてくるため途中で疲れてしまいました。

帰りの車の中ではクイズゲームをやっていました。有名な人物になりきって、それをあててもらうという形式のものです。ただ、なりきるといっても物まねをするというわけではなく、ただ淡々と質問に答えていくだけです。質問はYES / NOで答えられる決定疑問文でなくてはならず、質問者側はうまく質問をして答えを絞り込んでいきます。
洋画の中でこのゲームをしているシーンを見たことがありましたが、本当にポピュラーなんですね。

家に帰りついてからはボードゲームをやりました。
「Quibble」というゲームだったと思いますが、カードに様々な感情を表す単語が書かれていて、それにしたがってお題として与えられたセリフを読むというようなものでした。
感情表現に関する単語は「楽しい」とか「悲しい」といった単純なものだけでなく、「嫉妬深い」とか「尊大な」といったややトリッキーなものも含まれており、自分の知っている単語の少なさを実感しました。

子供たちは元気を使い果たしたのか、7時過ぎには寝てしまいました。その後は息子さんと話していたのですが、彼は以前impossibru!を教えてくれた面白い方です。

今回も新しいネタを与えてくれました。その名も「Chinpokomon」です。下品な名前でアレですが、これもまたジャパニーズイングリッシュを揶揄したコンテンツです。
SOUTH PARK」というアメリカのブラックジョークアニメの中の一つの話なのですが、息子さん曰く「ジャパニーズイングリッシュだけでなく、日本独特の"謙譲表現"をアメリカナイズしてコメディ調に仕立てているあたりが面白い。」のだそうです。
見てみると確かにそんな感じ...ではありますが...。

彼は謙譲語と尊敬語の違いもある程度理解しているほどに日本語通です。私は謙譲語と尊敬語をいまだにうまく使いこなせません。なんだかこちらに来てから日本語を話せる人と親交を深めることが多く、不思議な感じです。
日本語はあまり国際的な言語ではないような気がします。何しろ極東の島国でしか通用しない言語なのですから、実用性という観点に絞れば学んでもお得さはありません。
アニメや漫画といったコンテンツが多いため、趣味として学ぶには面白いのかもしれません。欧州人はたいてい2~3か国語話すことができます。実用レベルでの言語を習得したのちに、趣味として学ぶ言語として日本語が選ばれるのかもしれませんね。

それにしても、この息子さんにしてもJさんにしてもそうですが、彼らと話していると、自分はドイツ語どころか日本語すら理解できていないのではないかと考えさせられることが多いです。色々日本語について質問されるのですが、文法的に何が正しいのか?類似表現のニュアンスの違いは?などと聞かれても答えられないことも多々あります。

外国語の前に母国語すら完全に理解していなかったようです。しかし、これはポジティブに捉えることもできます。完全に理解していなくても言語を話すことはできるのであれば、ドイツ語も英語もよく分からない部分がありつつも話して通じればとりあえずは言語として成立するはずです。もっと気楽に言葉を使ってもいいのかもしれません。

ドイツ語は文法が分からないから話すのが恥ずかしい...というならば、日本語の文法だって間違っている可能性もあるわけです。おそらくこの文章も、日本語文法の赤ペン先生に提出したら真っ赤になって返ってくるはずです。言語の習得に関しては、深く考えるのをやめた方が幸せになれるような気もします。