Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

188日目(4月6日 日) イギリス旅行 その3 ~Bovington Tank Museum~

ボービントン戦車博物館 一般展示の話など

前回更新からだいぶ間が空いてしまいました。ボービントンの続きからです。

Tigerdayはイベント終了後も多少館内見学をする時間的余裕があったものの、土・日は電車が運行しておらず、臨時バスに乗るしかなかった上にその臨時バスの運行スケジュールを把握していなかったため、早めに帰ることにしました。

戦車博物館の最寄駅Woolから博物館までは、歩くにはちょっと遠い距離です。往路はタクシーを利用しましたが、帰りもタクシーに頼ることにしました。といっても、戦車博物館に大きな駅や空港のようなタクシーの停留所があるわけではありません。

往路でいただいていた名刺を博物館の受付で見せ、タクシーを呼んでもらうことにしました。なお、この手法は海外から戦車博物館へやってくる大半の観光客が利用しているものらしいので、遠慮する必要はありません。受付の方も慣れた様子でした。

ただ、イベント後ということもあってタクシーが出払っていたらしく、「先ほどあなたの他にもタクシーを呼んだ方がいるので、その方と相乗りでお願いできますか?」ということになりました。駐車場へ行ってみると、ちょうどタクシーが一台やってきており、5~6人がタクシーの周りに集まっていました。どうやら私と同じ状況の方々らしいです。

タクシーは小型バンといったようなタイプのもので、8人ほど相乗り可能なものでした。結局その場に集まっていた方々は、私を含めて全員相乗りできました。料金も人数で割ったのでラッキーでした。

その後はスムーズにドーチェスターまで帰り着くことができました。バスも少なくとも一時間に一本はあるようです。案外事前に何も調べてなくても何とかなるものですね。

そういえば、ここで逃すとドーチェスターのことを書く機会がなさそうなので今のうちに少しだけ。
ドーチェスターはWoolよりさらに西に位置する小さな町です。こぢんまりした街並みは、ロンドンのような豪華絢爛さこそないものの、欧州の田舎町を楽しむにはもってこいです。
現在ショッピングモールを開発中らしく、駅前の一帯は工事中でした。2~3年後には少し風景が変わってしまっているかもしれませんが、駅から若干離れたところにメインストリートが位置していますので、その街並みが失われることはないと思います。

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▲Dorchesterの街並み

戦車博物館の存在するWoolは、ここドーチェスターよりもさらに田舎の町で、駅の周りには文字通り何もありません。宿泊施設も存在しているかもしれませんが、私は見つけられませんでした。

ボービントンを2~3日かけて見尽くしたいという方の宿泊場所としてDorchesterはおススメです。Woolまで、土日はバスで20~30分かかりますが、平日ならば電車で10分。街には宿泊施設も複数ありましたし、またパブやレストランもそれなりに存在しています。

今回私が宿泊したのはCasterbridge Hotelというホテルです。ドーチェスターの駅から徒歩5~10分ほどのところに位置しており、お値段は個室のホテルとしては安かったと思います。朝食で典型的なEnglish Breakfastを味わうこともできます。何より、オーナーのおじさまがとても優しい方で非常に居心地が良かったのでお勧めです。

予約にはBooking.comというwebサイトを利用しました。欧州のホテルのラインナップが豊富で、田舎町の宿もしっかり網羅しているところが助かります。予約までの流れはすべて日本語でできるところもナイスです。ムンスター戦車博物館を訪れる際もこのwebサイトから宿を探しました。欧州の宿探しをするには使いやすいサイトではないでしょうか。

webサイトの方はともかく、宿は本当に良かったです。戦車博物館を泊がけで観光する方は是非。



さて、ということで、ようやくこの日の話になるわけですが、この日も前述の通りバスしか運航しておらず、朝から駅でバスの運行時間を尋ねるところから始まりました。
Dorchesterの駅もかなり小さいのですが、臨時バスの運行に伴って係の方が案内をしてくれていました。昨日も同じ方だったので、「あ、また会いましたね。」というような妙な雰囲気になりました。

行先を告げると「え、またWoolですか?Woolに一体何が?」というような反応をされました。
ムンスターへ訪れた際は、近場の駅で「ムンスターへ行きたいのですが」と尋ねた途端に「ああ、戦車博物館ね」という反応が返ってきて驚いたのですが、ボービントンは知名度が低いのでしょうか。博物館の規模ならばボービントンの方が圧倒的に大きいのですが...

それはさておき、この日も無事午前中に博物館までたどり着くことができました。往路のタクシーで、「君、帰りもタクシー使う?もし使うんだったら今のうちに時間と場所を決めておいてくれれば迎えに行くよ。」とありがたい申し出をしていただいたので、お言葉に甘えて予約を入れておきました。

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▲「じゃあこの銅像の前に16時で」ということに。

昨日来ていた武器触り放題屋はおらず、またお客さんもちらほら...という程度しか見られず、何とも閑散としておりました。昨日は大いににぎわっていたので、てっきり毎日そんななのかと思っていました。

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アラビアのロレンスゆかりの地を巡ろうぜ!という看板。このあたりに点在しているようです。Moretonというところにお墓があるそうですが、ここからは遠いのでまたいつか。


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▲敷地内見取り図
ディスカバリーセンターもタンクストーリーも、どちらも戦車と解説パネルによる展示がなされているホールです。ディスカバリーセンターの方が、ゴチャゴチャ戦車が並べられており、タンクストーリーはその名の通り、WW1から時代に沿って戦車の発展と歴史が展示されています。


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▲「英国王室に忠を尽くした英国騎兵・機甲部隊員の記念碑」ということらしいです


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▲アリーナ外観


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▲装甲車に乗ってみようイベント
ここに書かれている時間までは終日運行しているらしいです。時間がなくて乗れませんでした。


以下戦車たちを中心に。
展示車両の写真は、昨日(Tigerday)に撮影したものも含みます。お客さんが映り込んでいるのは大体Tigerdayの写真だと思っていただければ。
それから、昨日開催していた兵器画展やティーガー画展はすべてなくなっていました。常設展示ではなかったようです。こんなことならもっとしっかり見ておけば...と思いましたが時すでに遅し。

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ディスカバリーセンターの入口を抜けると...
ケーニヒスティーガー(ポルシェ砲塔)がお出迎え。


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▲砲塔前面の曲線美がポルシェ砲塔の特徴ですね。


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▲うん、かわいい。ムンスターでヘンシェル型を見たときは恐ろしさを覚えましたが、ポルシェ型はかわいげがあっていい。


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▲徒歩30秒の位置にヘンシェル型も展示されていますので、ここで見比べることも可能です。
側にいたお父様が小学生にも満たないであろう子供たちに「ほら、これ触ってごらん。表面が凸凹してるでしょ?これによって吸着地雷を取り付けることができないというわけだね。」と一生懸命ツィメリットの解説をしていたのを見て和みました。なんという英才教育。


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▲いつもの。
このショーケースの中に、ドイツ軍の装備が一通りまとめて展示されていました。パンツァーファウストやMGからご覧のような腕章に至るまで。英国軍装備でさえここまできれいに展示されていなかったような気がしますが...



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▲I号指揮戦車



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II号戦車
後ろのパネルは電撃戦の解説をしたものでした。



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▲ルクス


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▲Ⅲ号近影



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▲Ⅲ突



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▲Ⅳ号
砲塔にシュルツェンを装備した、D型をH型水準まで強化したものらしいです。



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▲パンター
デカい


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▲前日アリーナを走行した131号車



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▲転輪・履帯周りの乾いた泥が生々しい



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▲履帯その2


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▲見たかったヤークトティーガー
この案内板配置の妙よ。反対側には先ほどの第三帝国ショーケースがあり、ベストアングルはすべて封じられていました。鉄壁の防御。存在感が凄まじかったです。



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▲もはや壁と言った雰囲気。



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▲マチルダ2



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▲M3 グラント



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チャーチル



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ルノーB1



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▲ソミュアS35



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▲KV-1



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▲95式軽戦車
「へへっ、僕ぁダメなやつさ」とか卑屈なことを言っていそうな表情。




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▲館内にはこの写真のようなミニゲームコーナーが点在しています。1Play 1ポンド
エンフィールド以外にも3~4種類ありましたが、エンフィールドとPIATが面白かったです。


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▲展示がポップでかわいらしく、家族連れを客層として想定しているようです。



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▲レシートにはSoldier Lunchとか書かれていますが、Tigerdayナントカーという名前のメニューでした。
ボービントンは、この写真の食事コーナーのほかにカフェがあり、休憩スペースが充実しています。またお土産ショップの品ぞろえもかなりのもので、観光客に優しい博物館です。


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▲お土産ショップではTigerfibelの英語版も売られていました。5000円くらいしたのでスルーしましたが。



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▲また、戦車に目が行きがちですが、写真の塹壕コーナーも見ものです。



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塹壕コーナーの一角



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▲ギャー!!



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▲なんだこれはー!!
と、WW1ドイツ兵の気分で戦車との遭遇を体験できたり

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▲馬が戦車に対する驚きを語ってくれたりします。
この馬の骨のようなものがあちこちにいて、あれこれ音声解説してくれます。
この写真の馬は
「うわぁー!やめろ!来るなー!」みたいな取り乱したことを叫んでいました。



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▲黎明期のマークホニャララが一通り展示されています。


とにかく見どころが多すぎて、二日あっても足りないくらいでした。
途中で細かく見学するのに疲れてしまい、所蔵品の多さにうんざりしたくらいです。


お土産ショップも大きく、ここも見ていて楽しいのでやたら時間がかかってしまいましたが、タクシーのおじさんと約束した16時にはWool駅に戻りました。

この日の夜はロンドンに宿泊することになっていたのですが、ロンドンまでの経路は不明です。臨時バスが電車と同じ経路まで出ているはずとのことでしたので、とりあえずバス停で待っていたら難なくロンドン行のバスを発見できました。

バスはサウザンプトンまでで、そこからは電車が運行しているとのことでしたので、電車に乗り換えることになりました。バスを挟むと移動に結構な時間がかかってしまいます。
電車でロンドンウォータールー駅に到着したころには20時過ぎになっていました。

ホテルはハイドパークの北西あたりに予約していたのですが、初めて訪れたロンドンの地理など分かるはずもありません。地下鉄が張り巡らされているのは知っていましたが、日本でも地下鉄をうまく利用できたことのない私はとりあえず分かるところまで歩いてみることにしました。



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▲劇場


ロンドンは当然ながらとんでもない都会で、東京を彷彿とさせるビル街の他に、写真のような欧州的な建物が並んだ小ぢんまりした路地があちこちにあったりと、見ていて飽きません。キョロキョロしながら歩いていたら、結局ハイドパークまでたどり着いてしまいました。こうなったらホテルまで歩くか、と思ったのですが、ハイドパークが思いのほか広く、地獄を見ることになりました。


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▲夜のハイドパーク
ここまで来たらもうすぐ!と思ったらそんなことはなかった


ホテルに着いたらもうへとへとでした。まだ夕食を食べていなかったのですが、レストランを探して外出する気力がなかったため、持っていたカロリーメイトでしのいですぐに寝てしまいました。
それにしてもロンドンは凄まじい街です。