Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

85日目(12月24日 火) フランクフルト ~ Mさん宅

フランクフルト ~ Mさん宅

実は昨日、Mさんと合流するとともに日本からMさんのもとに遊びに来ていた他のゲストさんとも合流していました。Mさんは、大学でお世話になっている教授の義理のお姉さんにあたる方なのですが、この大学教授は授業で学生にイベントを企画させることでマネジメントを学ばせるという一風変わった方なのです。この授業では受講者たる学生以外にも、地元のいくつかの団体と協力してイベントを企画するのですが、その恩恵で色々な方と知り合うことができます。

このゲストさんともそのイベントの際に知り合いました。もともと知り合いだったこともあってこちらでお会いするのを楽しみにしていたのですが、残念ながら早くも今日でお別れすることになっていました。何でもベルリンへ向かわれるそうで、その都合上今日はフランクフルトで一泊することになっているのだそうです。

そのため、Mさんの車で彼らをフランクフルトへ送っていくことになっていました。私は、お別れをしたかったということと、フランクフルトへ行ってみたかったという二つの理由から同行させていただくことにしました。
というわけで背景事情の説明は終わり。

今日はMさんの娘さん宅で起床、その後はちりぢりに近辺に滞在していたMさんファミリーがみんな集まって朝食を摂りました。朝食後は、みんな集まって記念撮影などをしたのちに早速フランクフルトへ向かいました。

マインツ~フランクフルトは案外距離が短いようです。恥ずかしながら未だにドイツの地理をよく理解していないので、よく分からないままについて行ったのです。

フランクフルト到着後は、ゲストさんたちとともに駅の下見やら何やらをしました。フランクフルトの駅はケルンをも凌ぐ大きさで、まるで空港のような印象でした。規模が違いすぎます。街並みも大都会でした。

その後はショッピングをすることになっていたのですが、今日は12月24日、クリスマスイヴです。14時にはすべてのお店が閉まってしまうらしく、やや慌ただしく見て回ることになりました。名前は失念しましたが、フランクフルトの大きなショッピングセンター街へ行ってあれこれお土産を見て回ったりしました。
Mさんのガイドで一緒に買い物をしていたのですが、ドイツらしいお菓子などを色々と紹介していただきました。ドイツのお菓子というとHARIBOが有名かと思いますが、それ以外にもチョコレートの類など色々あるようです。奥が深い。

買い物が終わったら、ゲストさんたちとお別れです。短い間でしたが、色々と楽しく過ごさせていただきました。

その後はMさん宅へ向かい、クリスマスしました。「クリスマスする」という表現はなんだか異様ですが、クリスマスしたとしか言いようがありません。
欧米の本場のクリスマスの過ごし方に興味があったため、ちょっとした参与観察のつもりでいたのですが、なかなか面白い体験ができました。

親類が一同に会し、クリスマスソングを歌ったりボードゲームをやったり和やかに時を過ごしました。イヴの夜にはプレゼントを各々一つだけあけることができるというルールらしく、ルールにしたがってプレゼントを開けた後は、あのクリスマス靴下をセットして就寝です。

なるほどこれが欧米のクリスマスか...と一人納得していたところ、Mさんから「申し訳ないけどこれは典型的なドイツのクリスマスではないし、また典型的なアメリカのクリスマスでもないと思う。たぶん我が家独特のルールがあちこちに盛り込まれているから、あんまり文化学習の参考にはならないかもね。」と言われました。なんと...!

Mさんはハワイ出身なので、出身文化圏はアメリカということになります。そして、ドイツにも30年近く住んでいるとのことですので、育った文化圏はドイツといえるでしょう。さらに、Mさんは敬虔なクリスチャンですので、各国の文化に加えてキリスト教的文化の影響を特に強く受けているようです(クリスマスのコンセプトですので当然ではあるかもしれませんが)。

クリスマスイベントの中にも、聖書の一節を読む読み聞かせタイムのようなものがありました。後で息子さんに「これってドイツとかアメリカでは一般的なの?」と尋ねたところ「いや、これは我が家ルールだよ」と言われました。そんな感じで、あちこちに独自のシステムが盛り込まれているようです。

といっても、この国の"典型的なクリスマスの過ごし方"というものがただ一つ定まっていて、誰もがそれに則っているとは考えがたいので、案外どこの家庭も独自のアレンジを加えた過ごし方をしているのではないかと思います。特に、欧州圏内ならば国籍も色々な人が雑多に暮らしているようなので、それも含めて考えると「ザ・クリスマス」という典型例を一つに絞ることは難しいのではないでしょうか。

結論だけ述べるのであれば、"欧米のクリスマス"というものを型にはめて理解することはできませんでしたが、色々な文化が入り乱れつつも日本とは違う観念で、異なるスタイルの過ごし方をしているということは分かりました。

ざっくりこちらで過ごしたクリスマスの雰囲気を説明するならば日本のお正月に近いイメージです。親類が一同に会してのんびり過ごすというのは、何ともお正月的です。そしてお年玉の代わりに、お互いがお互いにプレゼントを渡すわけです。

ちなみにプレゼントの交換方式は2種類あるようです。
(1)一人ひとりが全員分プレゼントを用意し、全員が全員からプレゼントを受け取る
(2)一人一つずつプレゼントを用意し、各自一つずつプレゼントを受け取る(別称:シークレットサンタ)

Mさんファミリーは(1)方式を採用していました。ゆえに「イヴに一つだけプレゼントをあける」というルールが成立するわけです。これも息子さんに尋ねてみたのですが、家族内では(1)のシステムが一般的だそうで、(2)は職場などでクリスマスプレゼントをやり取りする際に用いられることが多いそうです。
Mさんファミリーはかなりの大家族なので、(2)かなと思っていたのですが考えが甘かったです。一人10数個のプレゼントを律儀に用意してきていました。真面目です。

プレゼントは中身が見えないようにしっかり包装して、プレゼントを開けるときの楽しみを演出するのが暗黙の了解になっています。
以前部活でクリスマスパーティを企画してプレゼント交換会をしたことがありましたが、これに近い雰囲気を感じました。


ちなみに、イヴは上述したようなちょっとしたイベントで終了で、本番は25日であるようです。
一通りのイベントが終わったら、親類の面々は各々帰宅することになっていました。Mさん宅にはとても全員滞在することはできないため、そういうことになっているようです。明日の朝改めて皆集まるようで、それからメインイベントになるそうです。楽しみですね。