Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

86日目(12月25日 水) クリスマス

クリスマス

朝起きると、既に家族の皆さんがMさん宅に集まっていました。
昨晩プレゼントを入れる用の靴下を家族全員分並べてから寝たのですが、朝確認してみると靴下一杯にお菓子が詰まっていました。ワースゴイ!サンタサンスゴイ!

そんなお菓子確認タイムから始まったクリスマスですが、本番はここからでした。プレゼント交換タイムです。Mさんファミリーは娘四人息子一人の大家族なのですが、それぞれが旦那さんや子供を連れてきていたため計十数人という大所帯です。昨日分の記事で紹介したように、全員が全員にプレゼントを用意していたため、一つ一つ確認するだけでもなかなか時間がかかるのです。

一人ひとり順番にプレゼントを開けるのですが、その度に一曲ずつクリスマスソングを歌うのがMさんファミリーの習慣となっているらしく、これまた賑やかなイベントでした。律儀なことに歌詞カードまで用意されていました。並々ならぬ手の込みようです。

驚いたことに、私にもいくつかプレゼントを用意してくださっていました。ドイツの典型的なお菓子?をいくつかいただきました。ありがたい話です。自分でスーパーで買い物をしていても、どれがドイツ製なのかということは案外わからなかったり(気にしなかったり)するので、今回紹介されるまでまったく知らなかったものも多々ありました。
部外者の私までプレゼントをいただいてしまったのはなんだか申し訳ない話ですが、拒むのもわけがわからないので、いただいてきてしまいました。

私はGlühweinをご家族向けに一本持参しただけでしたので、ほぼ一方的にプレゼントをもらう形になってしまいました。日本から持ってきたお土産も、前回お会いした際に一通り渡してしまったため弾切れ状態だったのです。まさかここまで本格的にプレゼント交換をするとは思っていませんでした。本場のクリスマスをナメていたとしか言いようがありません。不覚。

よく考えると、日本ではプレゼントをもらえるのは子供だけですよね。自然な流れで家族全員がプレゼントをもらっていたため不思議に思いませんでしたが、今になって考え直すとこれも一つの文化の違いかもしれません。


全員に全員分のプレゼントが行き渡るころには半日が終了していました。みんなでお昼ご飯を食べ、その後は特に決まったイベントがあるわけでもなく、団欒タイムでした。
ちなみに昼食も特別クリスマススペシャルというわけではなかったように思います。

団欒タイムといっても、ご家族に交じって世間話...というのも難しかったので、私はMさんのお孫さんに遊んでいただいていました。
Mさんにはお孫さんが二人います。孫一号は9歳の女の子、二号は7歳の男の子なのですが、その年にして独英二か国語を話すバイリンガルです。
欧州では二か国語、三か国語を話すことができる人はまったく珍しくはないのですが、10歳にも満たない時点でバイリンガルとは驚かされました。

てっきり母国語以外の言語はもっと大きくなってから習得するものと思っていたのですが、そういうわけでもないのですね。
Mさんはハワイ出身ですので、英語が母語です。お孫さんはドイツ生まれですからドイツ語が母語です。家庭内では英語を主に使っているようでしたが、もちろんお互いにドイツ語でコミュニケーションを取ることもできます。

お孫さんたちからすると、ドイツ語の方が話しやすいように見受けられましたが、それでもほぼ不自由なく英語も使いこなしているのです。時々子供たちが文法的に間違ったことを言ったりすると、Mさんが「ちょっと待って、もう一回言ってごらん」といった具合に修正していました。しかし、少なくとも私よりはキレイ・なめらかな発音で流暢にしゃべっていました。英語が母語だと言われても納得してしまいそうなくらいです。
何しろ、7歳の少年が「Could you pass me the salt?」なんて言ったりするのです。なんという丁寧な表現!小さな紳士ですね。私は未だにCould youなんて咄嗟に出てきません。

もしかすると、母語と外国語という区分はそれほど強くないのかもしれません。
会話をしていても、ふいにドイツ語になったり、そうかと思ったら急に英語になったりと厳格に区別することなく言語を使っていました。私は頭の中で咄嗟に言語を切り替えることができず、子供たちにさえついて行けないという始末。

学校の教育だけでなく、家庭内でも母国語以外の言語をナチュラルに使っているのですから上達が速いのも納得ではありますが...。それにしても全く言語環境が日本と異なるのですね。言語に対する感覚・考え方が日本とは大きく異なるのだということを改めて実感しました。


さて、彼らに遊んでもらっていたわけなのですが、当然のことながら遊びもドイツベースのものでした。先日のように、見たこともないボードゲームをやったりすることになったのですが、これがなかなか面白かったです。

「Muhle」というゲームだったと思いますが、三目並べをちょっと複雑にしたような何とも文章では説明しがたいものです。先日のスゴロクよりはこちらの方が面白かったです。
それからチェスもやりました。私は何手か先を予測しなければいけないタイプのゲームがとてつもなく下手くそなので、孫二号にあっさり捻られました。全力でプレイしても接待ゲームになるというわけです。素敵!

他に何かあったかなーと思いだそうとしているのですが、写真を見直しても記憶をたどっても特に何かしたような気がしません。

記事を読み直すと「プレゼントを開けて、一家団欒で終了」ということになりますが、案外そんなものでした。もっと何か特別なイベントがあるのかと思っていましたが、どちらかというと家族皆でゆっくり過ごすのがこちらのクリスマスのスタイルなのかもしれません。まさにお正月的と言えるのではないでしょうか。