Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

187日目(4月5日 土) イギリス旅行 その2 ~Bovington Tank Museum "Tigerday"~

ボービントン戦車博物館 "Tigerday"

昨年11月末にムンスター戦車博物館を訪れてから早4か月、留学期間中二度目の戦車博物館見学です。ミリタリー博物館としてはほかにコブレンツ軍事技術博物館も訪れましたが、あそこは「戦車もある博物館」であって戦車博物館ではないので、今回が二度目ということになります。

ムンスターは日本を出る前から一度訪れるつもりでいたのですが、ボービントンはこちらに来てからその存在を知りました。
ムンスターに行けばドイツ戦車は一通り見られるものと思っていたのですが、ヤークトティーガーなど、いくつかムンスターに置いていない戦車がありました。どこかに現物を見られる場所がないかなーと探していたところボービントンに行き当たりました。ボービントン戦車博物館は世界最大の戦車博物館と言われているそうで、その収蔵品の種類・数はムンスターをはるかに超えているようです。

公式webページも非常に気合が入っています。↓
よろしければムンスターと見比べてみてください。

ボービントン戦車博物館(http://www.tankmuseum.org/)
ムンスター戦車博物館(http://www.panzermuseum-munster.de/index.php?id=50)

ついでにコブレンツも。↓
コブレンツ軍事技術博物館
(コブレンツは連邦軍管轄の学習施設的性格が強いこともあって、webページも極めて控えめです。上掲3つのミリタリー博物館の中では、最も閉鎖的といえるかもしれません。とはいえ、誰でも見学に行くことはできるのですが、あくまで本来想定している来場者は連邦軍関係者のようです。(軍人・軍属ならば入場無料)ただ、一般客の入場料も3ユーロと抜群に安いです。
ドイツ語のページですが、左側メニューの「Exponate」をクリックすれば何枚か写真も見られます。)

ちなみに、ページをご覧いただければお分かりになられるかと思いますが、ちょっとポップな戦車博物館です。ムンスターは寒々とした格納庫内にドーン!と戦車が並べられているのですが、ボービントンは「家族向けアクティビティ」のようなものが紹介されていたり、展示ホールの様子がテーマパークっぽかったりと、万人に開かれたミリタリーテーマパークといった雰囲気を醸し出しています。それに比べてムンスターはwebページも少しおとなしいですね。


そして、このボービントン最大の特徴が博物館脇のアリーナです。なんとここで実車の走行風景をイベントとして展示しているのです。しかも、WW2当時の車両の!

残念ながら毎日行われているわけではないようですが、この日は奇遇にもTigerday。その名からお察しの通り、Tigerの実車走行が展示されるイベントdayなのです!

このために昨日若干無理をしてDorchesterまで来ていたのです。ボービントン戦車博物館の最寄駅はWoolですが、Dorchesterからならたったの二駅、約10分ほどの距離です。この日は土曜日ということで鉄道工事があり、結局バスを使うことになり30分ほどかかってしまったのですが、それでもロンドンから2時間30分かかることを思えば早いものです。このあたりのことは明日分の記事で書くことにします。
今日はイベントの話を。


f:id:tokkii88:20140405130321j:plain
▲ボービントン戦車博物館

f:id:tokkii88:20140405130526j:plain
▲実銃触り放題イベント のようなこともやっていました

照準器越しに景色を見てみようと思い、RPGを持ち上げようとしたら お、重い... 担ぐところまでいけませんでした。
それならばとAKを持ち上げてみようとしたのですがこれまた重い。突撃銃ってヒョイっと持ち運べるものかと思っていたのですが、ヨッコラセという感じでした。擬音説明でアレですけど...。

それに比べてM16ですよ。驚くほど軽い。それこそ私の想像通りのヒョイでした。これがプラスチック力か...。

と感心していたところ、そばにいたおじさんが置いてあるAKシリーズを指して「あれ、これストックがプラスチックだね?レプリカなの?」と尋ねていました。管理していたお兄ちゃんが「ああ、それはそうだよ」というような返事をしていたのですが、もしかして他のもレプリカだったの?便乗して質問したわけではないので結局よく分かりませんでした。

f:id:tokkii88:20140405130542j:plain
▲チャレンジャー(試作車両らしい)がお出迎え

受付でチケットとパンフレットを購入。「今日はTigerdayなんですよね?」と確認するとイベント一覧表をもらうことができました。


f:id:tokkii88:20140419050818j:plain
▲Tigerday イベント一覧


f:id:tokkii88:20140405130928j:plain
▲館内にも案内があります


f:id:tokkii88:20140405130906j:plain
▲入ってすぐのところでは、早くも来年のTigerdayのプレミアムチケット販売が行われていました

Tigerdayには二通りの参加スタイルがあるようです。
1つ目は一般客として楽しむスタイル。
これには事前予約の類は一切必要ありません。ただその日に現地に居れば、先ほどのイベント一覧表に書かれていたようなイベントを楽しむことができます。目玉であるTiger131号車のアリーナ走行を見学するために必要なのは一般入場券だけですので、何か特殊なチケットを買い求める必要もありません。

2つ目はプレミアムチケットを購入して案内してもらうスタイル。
こちらは特殊な参加方法で、上掲の写真内で販売されている「プレミアムチケット」をイベントまでに事前購入しておくことが前提となります。これは博物館公式ページを通じてweb購入も可能らしいので、興味のある方はそちらから調べてみてください。
2014年版ページ(参考)
(http://www.tankmuseum.org/ixbin/indexplus?record=ART3923)

通常と異なる点は、朝から晩までイベントが組まれている点です。0830時の朝食イベントに始まり、専門家による解説付きの博物館見学、Tigerの保存に関するレクチャー等々のイベントに参加し、昼食後は実車走行見学、レストア関連の見学、そして午後のティータイムまで、丸一日戦車尽くしのアクティビティに参加することができるらしいです。お値段は150ポンド!日本円にして2万円超といったところ?一日ですべてを味わい尽くしたいという方はこちらのチケットを購入するという手もあるかもしれません。

私は1つ目の一般客方式で参加しています。ギリギリまで行こうかどうか迷っていましたし、150ポンドはちょっと...。

ですので、参加したイベントは実車走行見学のみです。他にも解説イベントは後ろからついていくこともできたようですが、その時間は一人であれこれ見ていました。この博物館、常設展示だけでもかなり見ごたえがありますので、イベントがなくてもお腹いっぱいになれます。
実はそれを見越して、明日改めて通常展示を見に訪れる予定です。

f:id:tokkii88:20140405131231j:plain
Tiger画展...かと思いきや売り物でした。これ以外にも戦争画というか兵器画を扱ったお店が通路にいくつかでていました。


f:id:tokkii88:20140405131157j:plain
▲他には軍装品等小物展示。こちらは販売しているわけではないようです。


と、いった具合に通常展示以外にもあれこれ見どころが用意されていました。
あれこれ見ていたらあっという間にお昼過ぎに。走行イベントは1330からですのでアリーナに行ってみました。すると既に人だかりが。


f:id:tokkii88:20140405143211j:plain
▲しまった!出遅れた!と思いきや、案外見晴しが良かったので助かりました。


f:id:tokkii88:20140405142352j:plain
▲アリーナ内には戦車回収車と思しき車両が配置されています。いざという時のためでしょうか。


そろそろイベントが始まるという頃になって、小雨が降り始めました。最初は気にならないレベルだったのですが、どんどん雨足が強まってきました。あぁカッパを着てくればよかった...と思い始めたころイベントが始まりました。

開始前にアナウンスが入るのですがこんなことを言っていました。
「皆さん、くれぐれも興奮して柵を乗り越えてコース内に侵入するようなことのないようお願いします。戦車の視界は非常に悪いです。ですから急な事態に対処できる保証はありません。ですので、絶対に、くれぐれも、ホント頼みますんでコース内に入らないようにお願いします。」
pleaseを三段重ねで使用して注意の放送が入る徹底っぷりでした。過去に何かあったのでしょうか。


そうそう、Tigerdayとはいうものの、Tiger以外にも何両か参加します。以下、お粗末ですが写真をお楽しみください。

f:id:tokkii88:20140405143729j:plain
▲1両目はこちら。あらカワイイ。マチルダ1ですか。
どうせならマチルダ2が見たかった気がしないでもありませんが、"お通し"ということでしょうか。


f:id:tokkii88:20140405144003j:plain
▲2両目。これはバレンタインの水陸両用仕様、バレンタインDDというらしいです。お通しに続いて前菜のサラダのような立ち位置でしょうか。


f:id:tokkii88:20140405144139j:plain
▲3両目。またまたバレンタイン。これでスープくらいまでたどり着いたのかな。


f:id:tokkii88:20140405144313j:plain
▲4両目。ここにきてアイドル登場。T-34/85。もはやメインディッシュ。他の戦車と比べてエンジン音が激しかったです。あと、写真がスモークがかっているのは排気煙も一つの原因ですが、主にレンズがぬれていたせいです。眼鏡もディスプレイもぬれていたのでイベントが終盤に差し掛かるまで気が付きませんでした。演出ということでご勘弁を。


f:id:tokkii88:20140405144727j:plain
▲5両目。三号L型。なんというイケメン。


f:id:tokkii88:20140405144736j:plain
▲6両目。アイドルその2。ケッテンクラート。アリーナに登場した途端会場が笑いに包まれました。キャーカワイイ!まさにアイドル。


f:id:tokkii88:20140405145020j:plain
▲7両目。もはやデザートといったところでティーガー登場。見てくださいよこの3号をも凌ぐイケメンっぷり!本日Tigerdayの主人公です。
ここまで戦車が立て続けに登場する中、アナウンスで各車両の解説がなされていたのですが、ティーガーが出てきて解説がちょこっと入ったと思ったら、「それではこのエンジン音を皆さんに堪能していただくために、私はしばらく黙りますね」と言ってアナウンスが一時途切れました。主役は扱いが違いますね。


f:id:tokkii88:20140405145117j:plain
▲右下の傘がなければベストショットだった気がする一枚。結構雨が強まっていたので傘を差したい気持ちは非常によく分かりますが...うぅ。
それにしてもエンジン音が静かです。T-34と比べたらプリウスですよコレは。かなり丁寧に操縦されているようで、スピードもゆっくり。


f:id:tokkii88:20140405145202j:plain
▲「センチュリオンが通りますよ!」突然大きなエンジン音を響かせ登場。8両目。
この間、ティーガーは観客の目の前に停車していました。お写真タイムでしょうか。


f:id:tokkii88:20140405145309j:plain
▲停車中の一枚。ここに至ってレンズ拭きました。


f:id:tokkii88:20140405145456j:plain
▲ !?


f:id:tokkii88:20140405145524j:plain
▲レオパルド君じゃあないか。突然だなぁ。
しかも、他の車両と異なり、色々パフォーマンスを披露してくれました。写真にあるように段差を乗り越えたり...


f:id:tokkii88:20140405145626j:plain
▲アリーナ中央の丘に登ってこっちを向いてくれたり。丘に登ってから超信地旋回でクルッとこちらを向く様はかわいかったです。


f:id:tokkii88:20140405145634j:plain
▲なんともいえない光景
レオパルドが走ってきてティーガーのエンジン音の小ささがより際立ちました。レオパルドのエンジン音はお腹に響くような感じの重たいものなのですが、ティーガーはそこまで体に響くものではありませんでした。
以前、総火演を見学したことがあるのですが、90式のエンジン音はズモモモモといった低い音で、耳で聞き取るというよりは体に響いてくるような音だったように記憶しています。レオパルドはそれに近い感じでした。
ティーガーは書き起こすならばブーンとかブロロロとか、漫画に出てきそうなエンジン音に感じました。


f:id:tokkii88:20140405145846j:plain
▲レオパルドが帰って行った後、最後に会場を後にするティーガー
これで終わりかぁ...と思いきやまだまだ見せてくれました。ここから駐車場脇を通って格納庫まで帰るところまでパフォーマンスの一部のようです。


f:id:tokkii88:20140405150216j:plain
▲駐車場越しのティーガー


f:id:tokkii88:20140405150654j:plain
▲しばらく停車中。


f:id:tokkii88:20140405150517j:plain
▲なにやらお話し中。


f:id:tokkii88:20140405150808j:plain
▲動き出しました。


f:id:tokkii88:20140405150903j:plain
▲去りゆくティーガー


f:id:tokkii88:20140405151139j:plain
▲さらばティーガー。ありがとうティーガー


と、いった感じでイベント終了です。
さすが戦車発祥の国イギリス!格が違った!スゴイ!イギリススゴイ!
女王陛下万歳!ルールブリタニア


写真より動画だろ!エンジン音も聞きたいじゃないか!という方はYoutubeで検索すると色々動画が出てきます。そちらを参照してみてください。


以下感想・妄想。
写真をご覧になりたい方は翌日分の記事にも多少掲載する予定ですのでそちらもどうぞ。


私はそこまで戦車に詳しいわけではありません。多少見分けがつく程度です。そんな私が今回のようなイベントに参加していると思うと、誰に対してでもなく申し訳ないような恥ずかしいような気持ちになってしまいます。

それでも、行ってみてよかったです。ムンスターを訪れた際に感じたのですが、戦車博物館はミリタリー趣味者にとっては美術館のようなものだと思うのです。小難しいことを考えず、単に戦車を眺めているだけでも感動的な体験になりました。歴史的背景や性質等々を知れば知るほど面白いというのは理解できます。しかし、それだけではない何かがあるような気がします。

そこまでコアな戦車ファンではない私にも魅力的に感じられるのは何故なのか...。あくまでも兵器ですから、戦車を賛美するようなことは色々誤解を招きそうですが、この姿形の美しさは人を魅了するものがあります。いや、"人を"と一般化してよいのか分かりませんが、少なくとも私だけではないはずです。今日だって会場にこれだけの人が集まっていたのですから。


留学でドイツに渡ってきてから、人間の適応力の高さに驚かされています。
こちらに来たばかりの頃は、買い物一つとっても今まで知っていた日本式とあれこれ異なっていて、発見や感動の連続でした。それが、一か月...半年...と月日が経つにつれて日常化されてしまい、かつて驚いていたことに何も感じないようになっていきました。また、多少新しいことに出会っても動じないようになってきてしまいました。
これは適応力・対応力が向上したと捉えれば喜ばしいことなのかもしれませんが、少しさびしいことでもあります。日々が無味乾燥としたものに感じられてしまうからです。

身の回りのあれこれに慣れ始め、日々の退屈さを感じ始めていた頃ムンスターの博物館を訪れました。特別展コーナーを抜け、格納庫の入口の扉を開けた時のあの興奮、そして初めてティーガーと出会った時の感動はひとしおでした。"雷に打たれたように"とはこういうことを言うのかとその場で理解しました。それくらいドキッとしました。これって一目惚れ?恋?と思ったほどです(違)

そして今回、イギリスまで来て動いているティーガーに出会うことができたことは、理屈を超えた意味があるような気がするのです。
おそらく、いや間違いなくこれは自分の将来に役立つ経験ではないでしょうし、この経験を生かしてキャリアプランを立てることができるとは到底思えません。単に自身の趣味に対する欲求を満足させたものでしかないのかもしれません。
それでも、"何かを見て感動する"ということはやはり素晴らしいことだと思います。


...おそらくここまで読んでしまった方の9割、いや10割が「キモチワルッ」と思っておられることでしょう。対象が戦車であるからなおさら「アレな人」感が増しているかもしれません。ですが、見てみたかったものを見る、聞いてみたかったものを聞くというのはいいものです。

どうせ人の趣味なんて今の時代ネットやサブカルの影響も相まって、十人十色どころか千人千色、万人万色なのですから、著しく公序良俗に反していない限りは好きなものを追及していけばよいのではないかと思います。というよりも、コンテンツがあふれかえっているために自分が何を好きなのか自覚するのもやや困難になっているのではないかと感じます。

その中で、これを見れば感動できる!これが私の趣味!というものを再発見できたことは私にとっては喜ばしいことです。戦車...ああ戦車。日本に帰ると見られる場所がないというのがネックです。悩ましい趣味だなぁ。

186日目(4月4日 金) イギリス旅行 その1 ~Wuppertal → Heathrow → Dorchester~

イギリス旅行 その1 ~Wuppertal → Heathrow → Dorchester~

当初予約した航空券ではこの日のお昼ごろにはヒースロー空港についている予定だったのですが、代替便の都合で、フランクフルト14時発の便になってしまいました。
デュッセルドルフ発を希望していた都合から、代替便の航空券にはデュッセルドルフ発フランクフルト行のICEのチケットも含まれていました。

が、事前に手元にあるのは予約確認書のみです。航空券のチケットは空港についてからチェックイン処理をして入手するらしいことは知っていましたが、電車のチケットはどこで入手するのでしょうか。

実は、デュッセルドルフ発の航空券を予約した際に、空港まで下見に行ったことがあったのですが、その際にLufthansaのチェックインマシンのようなものをデュッセルドルフ中央駅にて見つけていました。その時に端末をいじったところ、まだ「発券可能時期ではありません」というような案内が返ってくるだけでしたが、おそらくコレだ!と目星をつけていました。

早速そのマシンのもとへ行って自分の予約番号を入力してみたところ、今回は手続きがそのまま進行しました。やはりこれで間違いなかったようです。

自分の予約番号、氏名に続いて、パスポートを機械にスキャンさせることで本人認証を行い、自動的にチケットを発券してくれました。パスポートを機械に読み取らせるなんて初めてだったのでびっくりしました。

てっきりフランクフルトまでのICEチケットだけがここで手に入る物と思っていましたが、ヒースロー空港までの航空券もその場で一緒に入手できました。これでチェックイン手続は一通り終了した、ということになるようです。

時間もちょうどよかったためプラットフォームへ向かったのですが、電光掲示板によく分からない情報が表示されていました。

f:id:tokkii88:20140404105811j:plain
▲出発時刻も行先も同じ電車が二本?


ICEは通常上側に表示されているように「ICE625」というような番号が表示されます。ところが、先ほど発見されたチケットには「LH3649」、つまり下側に表示されている方の番号が印字されていました。

LHLufthansaのことだと思うのですが、まさかLufthansaが独自に電車を運行しているわけではないだろうし、どういうこっちゃ。時刻表を改めて確認してみるか、と思い案内板の前であれこれ確認していたところ、近くにいたおじさんが「何かわからないことがあるの?」と声をかけてくれました。

そのおじさんに尋ねたところ、ICE625とLH3649は全く同じ電車を指しているということでした。LH経由でチケットを購入した人用にLHナンバーで表示されていたのでしょうか。理由はよく分かりませんが、とにかくこれで不安はなくなりました。
おじさんは丁寧にも「君の予約席はここだから、プラットフォームのこの辺で待っていればスムーズに乗れるよ」という情報まで教えてくれました。ありがとうおじさん。

これでまずフランクフルトまでは無事に到着できそうです。


ICEに乗り込み、指定された席まで行ってみたところ、なんと個室でした。個室なんで初めてです。

代替便予約の際には、当初予約した便の料金を既に支払っていたため、その金額で予約できるものが選択肢に入っていたようなのですが、これはもしかするとかなり贅沢なプランだったのかもしれません。といっても、出発地を変更されてしまったのであまり嬉しくはないのですが。

フランクフルト空港はかなり大きくて、初心者は抜け出すことも困難な迷宮という噂を聞いていました。東京駅で目的の出口にたどり着くのに20~30分かけたことのある私はこの噂に心底恐怖していたのですが、ICEの駅からはスムーズに目的のターミナルまでたどり着くことができました。なんという拍子抜け。

遅れることもなく無事登場手続きを終え、ヒースロー空港まで辿りつくことができました。

そうそう、これも予約した際には気に留めていませんでしたが、ビジネスクラスでした。座ってから気が付きました。ラッキー!代替便スゴイ!と思うと同時に、これなら最初からフランクフルト発で安い便を探しておけばよかったというような気にもなってきました。おそらくデュッセルドルフ発にこだわらなければもう少し選択肢はあったはずです。まぁでもこれも一つの経験ということで。


f:id:tokkii88:20140404160229j:plain
▲ヒースローに到着して驚いたこと。SIMカードの自動販売機。が、今回はアナログ旅ということでスマートフォンは目覚まし時計機能を除いて封印!

ヒースロー空港には時間通り到着しましたが、その後もゆっくりしていられません。到着初日は、西部のDorchesterという町まで行くことになっていました。宿も押さえてあります。事前に調べた情報では、ロンドンの大型駅から電車が出ているということだったので、まずはロンドンへ向かおうとしていたのですが、ヒースロー空港の中で迷ってしまい、そこへたどり着くことすらままならない状態でした。

早速アナログ力を試されているに違いない!と思い、あちこちで尋ねてみることにしました。

まずは、Central Bus turminalで。
ロンドンにもDorchesterというところがあるらしく、それと勘違いされかけましたが、「いや、西の方のdorset州のDorchesterです」と伝えると、「そこまで直接行くことはできないから、まずは大きな鉄道駅を目指すと良いよ」と教えてくれました。そこまでは、地下鉄が出ているからそっちに行ってみるべし、ということだそうです。

地下鉄といってもあれこれあってよく分からないので、パッと目についたHeathrow Expressの係員の方に尋ねてみました。直接いけないということは教えてもらえるのですが、知りたいのはそこまでの乗り継ぎ方です。が、Heathrow Expressはその名が示す通りローカル線ですので、そこで目的地までの行き方を教えてもらうのは難しいようでした。
手元に、出発前にgoogle mapを使って調べた際のメモがあったためそれを見せつつ「途中まででもいいのでなんとかなりませんか」としつこく聞いていたら、「あ、このReadingという駅までならここから行けますよ」と教えてくれました。おお!やった!

その場でチケットを購入し、まずはReadingまで向かいました。Readingはそこそこ大きな駅で、そこからは窓口で改めて目的地までの電車を確認しました。

ところで、チケット窓口って時々ガラス越しにマイクで対応するような形になっているものがありますよね。あれって周囲の騒音も相まって何を言っているのかよく分からないことってありませんか?日本でもそういう経験がありましたが、今回は英語ですのでなおさら何を言われているのかよく分かりませんでした。
とりあえず今度はDorchesterの駅までの切符を購入することができたので、適当に「アッハイ」というような対応をしてしまいましたが、何か注意事項があったのでしょうか。

空港内で迷ってしまったこともあって、予定よりかなり遅くなってしまいましたが何とかDorchesterまではたどり着くことができそうです。

もう乗り換えもないな、と思い安心して少し寝てしまいました。気が付いたら周りには誰もいません。やってしまったか!これはまさか車庫行きか!?と思いましたが、窓の外を見る限り駅のようです。状況をそれもまだ終点というわけではなさそうでした。状況を呑み込めないでいると、前から係員っぽいおじさんがやってきました。
「おい君!何をしてるんだ!こっちこっち!早く!」と手をこまねいています。よく分かりませんが、この電車を降りないとマズイらしいです。乗り換えはないはずなのですが...。
慌てておじさんのもとに向かうと「いいか?ここからは前3両しか目的地まで行かない。この車両を含めて後ろの車両は切り離されてしまうから前まで走るんだ。さぁ行け!」というようなことを言われました。
ああ、そういうアレか!ここでようやく状況を理解しました。ダッシュで前方へ向かったところギリギリ間に合いました。危なかった。おじさんありがとう!

そんなこんなで、22時を過ぎたころ、なんとかDorchesterまで辿りつくことができました。宿のチェックインが2130時までと予約した書類に書かれていたため焦って宿に向かいましたが、結局2230時ころになってしまいました。

「遅くなってすみません!」と急いで受付に向かったのですが、お叱りを受けるどころか「いやいや、気にしないで。それより大丈夫だった?」と心配していただきました。申し訳ない限りです。

こうして初日の目標、「Dorchesterへ辿り着く」は達成されましたが、アナログ方式を試してみたことで色々考えさせられました。



まず、端末を見て情報確認をする代わりに人に尋ねるという手段を取るため、必然的に人と話す機会が増えます。これは語学学習にとっては有益なことだと思います。さらに現地の人の雰囲気を知ることができるという点でも、人と話す機会が多いのは良いことです。
しかし、その分多くの人に迷惑をかけてしまっているような気もします。
駅の職員やらそういった方であれば、質問に答えるのも業務の一環でしょうし問題はないのかもしれませんが、いつも券売機とスマートフォンで済ませていた私はそんなちょっとした質問をすることに対しても申し訳なさを感じてしまいました。

それから、出発前に予定が完成していないというのはかなり不安です。この日は、目的地がDorchesterであること以外は大した情報を持っていませんでした。google mapで調べた簡単な経路図はありましたが、それだけではどうにもなりませんでした。現地の方々から得られた情報によって"目的地までたどり着かせていただいた"といったところです。

とはいえ、現地で生きた情報を得て旅をするのは非常にスリリングであると捉えれば、この不安も楽しみ甲斐のあるものなのかもしれません。しかし、同時に他人の好意に甘えっぱなしであるという点には変わりありません。

一切他人に迷惑をかけずに何かするのは不可能ですから、いっそ開きなおって「私旅人で何にもわからないんで教えてください!」という態度を貫いてしまった方が気が楽なのかもしれませんが、どうなんでしょうか。まだアナログ旅に慣れていない私には正解が分かりません。

あまり人にあれこれ尋ねてばかりだとggrksと言われてしまいそうですが、今回はこれで一週間色々見てきます。

明日は第一観光目標の戦車博物館です。

162日目(3月11日 火) ~ 185日目(4月3日 木) 近況

近況

最後に更新をしたのはカーニバルについてでしたか。不定期更新を宣言して開き直った結果、一か月もさぼってしまいましたが、まだ生きています。

現在こちらは春休み期間中(といってももはや終盤)なのですが、その期間を利用して旅行に行ったりして、あれこれ書き残しておきたい出来事がありましたので、改めて記事をまとめていこうと思います。

が、春休みのことを書く前にそれまでのことを少しまとめておこうと思います。

前回の記事で紹介したカーニバルが終了してから、カーニバル音楽が強烈に頭の中に残ってしまい、ケルンでそれ関連のCDを買い集めたり、カーニバル博物館を見学したりしていました。音楽については、別途書きかけの記事が下書きとして残されていたので、そのうち...今世中にはアップします。

そんなこんなで、カーニバル脳のまましばらく過ごしていたら期末テストの時期になってしまいました。前回の中間テストは口頭試問によって何とか合格させていただくことができ、B1クラスに進むことができたのですが、今回は筆記一本のテストでした。

筆記は苦手な分野で、特に文法事項はドイツ語のみならず英語・日本語においてもダメダメです。テスト前日の授業で、模擬試験という形で過去問を解く機会があったのですが、それによると

①リスニング
②読解
③文法

という形式のテストのようでした。これは中間と同じですね。
リスニングは先生が読み上げる文章に関する質問に答えるものです。読解は長文を読んで問いに答える問題。文法は、基本的に穴埋め形式で、語尾変化等の知識を問われるものでした。
模擬試験ではかなり手ごたえがあり、どちらかというと簡単に感じるほどだったのですが、先生によると「最近はこれより難しめになっているから油断しないようにね。」ということでした。

しかし、そうはいっても問題形式が大きく変わるわけでもないだろうし、問題ないだろう!と気楽に構えていたのですが、問題アリアリでした。

本番では、問題の形式こそ変わらないものの、先生の言った通り難易度がかなり上がっており、苦手意識のある文法だけでなく、長文読解の内容も完全に理解することができませんでした。結果、推測して問題を解くというこちらに来てからお世話になっている戦法に頼ることになったのですが、それでうまくいくはずもなく、今回のテストはパスできませんでした。

ということで、夏学期はB1を再履修するところからのスタートになりました。残念ですが、力不足であることは間違いないので、この機会にしっかり取りこぼしていた部分を身に着けていきたいと思います。

テストが行われたのは3月21日の金曜日でした。その二日後の23日には結果がメールにて通知され、そこから春休みがスタートとなりました。もし今回のテストに合格していた場合は、B2(一つ上のクラス)の学生たちのテストに参加することもできたようです。といっても、それに合格したら飛び級可能というようなことではなく、単に力試しということだそうですが。


春休みの予定は大雑把にしか立てていませんでした。

1.ベルリンに行く
2.イギリスに行く

これだけです。
ベルリンはドイツに渡航してからまだ一度も訪れていません。首都として、また東西分断の歴史が色濃く残る地として、そして史跡が多数存在している街としても、ベルリンは訪れなければなりません。"行ってみたい"という気持ちにも増して"行かねばならない"場所です。

それに対して、イギリスは"行ってみたい"場所です。欧州行ってみたい国ランキング(脳内調べ)では、1位がドイツで2位がイギリスでした。

一昨年NHKで「BBCプロムス」を見てから、イギリスに対する興味が深まりました。
プロムスというのは、イギリスで毎年夏に行われるプロムナードコンサート期間のことです。その期間はロンドンを中心としてあちこちでコンサートが催されるのだそうです。
で、そのイベントの最終日、「Last night of the Proms」と呼ばれるその日には、ロイヤル・アルバート・ホールで英国愛国歌の演奏会が行われるのです。
国歌である「God save the Queen」の他、「Rule Britannia」「Jerusalem」「Land of hope and Glory」などといった曲がステージで演奏され、観客がそれに合わせて大合唱します。

NHKで放送されていたのは、この最終夜の様子でした。愛国歌演奏会ですから、ナショナリスティックな雰囲気あふれるイベントなのですが、かといってただの愛国者の集会というわけでもないようで、会場にはユニオンジャックの他に様々な国の国旗がたなびいており、国際的に楽しまれている?イベントらしいのです。
何より、映像から伝わってくる熱気のすさまじさに圧倒され、イギリスとはいったいどんな国なのかと興味を持ちました。

あとは、中学時代にビートルズが大好きだったこともあり、リヴァプールに一度行ってみたいとも思っていました。また英国にも大きな戦車博物館があるというとこで、ミリタリー趣味者としての興味を満たせる場所でもあります。

とにかく、色々な興味関心が重ねっていたのでイギリスはこちらに滞在している間に一度訪れたかったのです。


ベルリンはここヴッパタールからICEで4時間少しでたどりつくことができるようです。それならば、焦っていく必要もないか...と思い、まずはイギリス行を優先することにしました。

ところが調べてみたところ、移動時間だけならば飛行機を使えばイギリスまで1時間30分足らずで、しかもドイツからイギリスへ向かえば時差の関係で一時間相殺できるため、30分で到着可能ということが分かりました。空港までの電車移動を含めても、ベルリンまで4時間と比べれば短時間で到着可能かもしれません。

しかし、半年住んで勝手が分かってきたドイツ国内の旅行よりも、海外旅行となるイギリスの方が準備の面倒さやら気の重さやらが勝っているため、春休みの時間を活かして行っておきたいという思いが強く、やはりイギリスを先に済ませておこうということになりました。

まずは航空券の購入なのですが、海外旅行など今まで1~2度しかしたことがなく、飛行機自体使い慣れていないためこの時点で色々手間取ってしまいました。結局、Lufthansaのチケットを購入したのですが、ちょっと割高だった気がします。出発一週間ちょっと前にweb購入したのですが、300ユーロ弱かかってしまいました。

さらに、購入して数日後に「お客様が購入されたフライトはキャンセルになりました。代替便を予約してください。」との連絡が。購入した時点で既に日程にあまり余裕がなかったため焦りました。しかも、案内されたページにアクセスしたところ、「現在代替便の指定はできません」との案内があり、さらに焦りました。出発間近にならないとアクセスできないそうです。

イギリスには一週間滞在することにしたのですが、詳細な旅程はまだこの時点でも定まっていませんでした。
航空券が確保できていない段階では、不安で宿を取ることもできず、大まかな旅程と見たいポイントのピックアップくらいしかできませんでした。

結局出発3日前になって代替便の指定をすることに成功しました。
当初は、[デュッセルドルフ‐ヒースロー]の往復便を購入したのですが、往路のみフランクフルトからになってしまいました。しかし、フランクフルトまでのICEの切符も代替便の料金に含まれていたため、金銭的にはそこまで痛手ではありませんでした。

そこから慌てて宿の予約を済ませ、何とか滞在期間中の寝床は確保できました。が、細かい移動手段等に関してはしっかり調べ切れておらず、かなりザルなプランになってしまいました。

そこで開き直って「わかんなかったら現地で聞けばいいか。たまにはデジタルな情報を捨ててアナログな旅をしてみよう!」という姿勢で今回の旅行に臨むことにしました。

何より、事前にあれこれ調べるのが面倒だったのです。
下調べをする際、ドイツ旅行であれば「DB(Deutsche Bahn)」のwebページにお世話になっています。
イギリスの場合「National Rail Enquiries」(http://www.nationalrail.co.uk/)というwebサイトを利用することになります。これで調べてみたところ、土日は電車が運行していない区間があるらしく、バスやら何やらをアレコレ乗り継がなければならないとの情報が表示され、かえってよく分からなくなってしまいました。

地球の歩き方」にも、"英国では土日は工事等の影響でダイヤが特殊な場合が多いから注意すべし"との注意書きがあったのですが、全くその通りでした。
まるでよく分からん...。ちょうど土日に長距離移動の予定が入っていたため余計に参ってしまいました。

そんな事情もアナログ旅の決意を後押ししてくれました。


というわけで、長くなりましたが4月4日から11日まで一週間イギリスへ行ってきましたので、それについて次の記事からまとめていきます。

カーニバルについて

[Karneval] カーニバルについて

先日の記事にちらっと書きましたが、2月26日の水曜日から3月5日の水曜日まで、ここら一帯はカーニバルでした。カーニバルは11月11日11時11分に始まるそうなのですが、今回の一週間の中では3月3日月曜がハイライトらしいです。
「Rosenmontag(バラの月曜日)」と呼ばれるこの日は、ケルンやデュッセルドルフで大規模なパレート(Rosenmontag Umzüge)が行われるそうで、それはそれは賑やかできれいなのだとか。
11月11日(前回)は、授業もあったため午後からちらっと見に行くことしかできませんでしたが、今回はRosenmontagはしっかり祝日なのでお昼頃から一日観光してきました。

このページでは、そんなカーニバルの様子についてまとめます。

ちなみに、色々知っているような書き方をしてしまっているかもしれませんが、私はカーニバルというものがどのようなものなのか詳しく分かっていません。

かつて、カトリックの断食が行われていた頃、断食に入る前に食い溜めておこう!というコンセプトの元、大宴会として始まったという話を聞いたことがありますが、今は断食を行っているような厳格なカトリック教徒は少ないらしく、単に大きなお祭りとして扱われているそうです。

ドイツ語の授業でも、ドイツ文化としてチラッと紹介してくださいました。
パレードでは、「お菓子を観客に向かってバラ撒く」「観客はKamelle(カメレ)と叫んでこれをキャッチする」「さかさまにした傘などを使って回収する方法が有名」などという、断片的な部分しか聞き取れなかったため、より混乱してしまいました。とりあえず見てみた方が早そうです。

カーニバル中は特殊な挨拶の言葉があるそうです。それも街ごとに多少異なっているのだそうです。授業とタンデムの友人から聞いたところによると以下の通りです。

・ケルン → 「Alaaf!」(アラーフ)
デュッセルドルフ → 「Helau!」(ヘラウ)
・ヴッパタール → 「Wuppdika!」(ヴプディカー)


これ以上の概要は例によってウィキペディアを貼っておきましょう。→ カーニバル(「ドイツのカーニバル」の項参照)

あとはこちらも参考になるかもしれません。
11月のカーニバルの記事(このブログ)
ケルンカーニバル公式サイト(ドイツ語)
ケルン、カーニバルの歴史(独・英・仏語選択可)
ドイツ大使館 カーニバル紹介ページ(日本語)

デュッセルドルフ(2月27日 木)

2月26日の授業でカーニバルのことを知りました。
水曜日は「Weiberfastnacht」と呼ばれているそうです。
Weibというのは、やや古風な言葉で女性を意味します。辞書で調べると、現代語としては軽蔑的に「あま」とかそういう意味があるとも記載されていますので、古語と割り切って理解しておいた方がいいかもしれません。モーツァルト魔笛で「Bewahet euch vor Weibertücken ~」(女の悪意から身を守れ)という二重唱が出てきますが、ここでもあんまりいい意味で使われてはいませんね。
fastはfasten(断食)、nachtは夜ですから、どう訳すべきでしょうか。

この日は女性が男性のネクタイを切り落とす日なのだそうです。ネクタイは男性の権力の象徴という考えから、それを切り落として女性にも権力があることを示すのだとかなんとかそんな感じの説明をされたような気がしますが、定かではありません。

そんな水曜日からカーニバル期間が始まり、一週間続きます。ハイライトの月曜日はケルンに行こうと思っていたため、この日はデュッセルドルフに来てみました。特に大きなイベントがあるわけではなさそうだったのですが、出店を巡ったり、音楽を聞いたりしているだけでも楽しいかな、と思ったのです。

ところが、この日はあいにくの雨模様だったため、思う存分街をうろうろすることはできませんでした。以前クリスマスマーケットで賑わっていた一帯まで歩いてみたのですが、その時と同様にあちこちに出店がありました。

f:id:tokkii88:20140227173245j:plain
▲雰囲気は伝わるでしょうか

11月のカーニバル時同様、コスプレをした人であふれています。あとは、大きなテントで簡易ビアホールが作られており、そこから音楽が聞こえてきたりしましたが、こちらには入りませんでした。ソーセージなどなどで晩御飯を食べておしまいというような、サッパリしたカーニバル見学になってしまいました。


ケルン その1(3月2日 日)

金曜日の夜、スシを食べに行った帰りに電車で乗り合わせたおじいさまから、「日曜日の昼間にもパレードが行われるからケルンかデュッセルへ行くといい」との情報を得ました。ケルンの方がきれいとの話も併せて聞き及びましたので、それに従い日曜日はケルンへ行ってみました。

確かに、デュッセルドルフよりもかなり賑わっています。まず、ケルンへ向かう電車の中がすごい。老いも若きもコスプレをした人だらけです。さらに紙ふぶきが散らばっていたり、若い人たちはビール片手に歌を歌っていたりとやりたい放題です。

ケルンに到着したのは1400時過ぎだったかと思います。ちょうどパレードが始まったところだったようで、駅から出たらパレードの先頭集団が目の前の通りを進んでいるところでした。

f:id:tokkii88:20140302154046j:plain
▲先頭集団

実は、「なんかパレードをやるらしい」という程度の情報しか事前に仕入れておらず、全く予習をしていなかったため、この時点では状況をよく理解していませんでした。
軍楽隊のような集団が行進曲を演奏しているのがチラッと見えたため、軍歌・ミリタリー音楽に興味がある私は大喜びで後を追っかけて行ったのですが、別にそういうアレではありませんでした。
演奏されていた音楽については、書きたいことが色々あるため、以下別途まとめます。

パレードは幾つかの集団に別れており、各団体の先頭を歩く一人がプラカードを持っています。そのプラカードに、団体名とナンバーが書かれています。

f:id:tokkii88:20140302155038j:plain
▲各団体がある程度まとまりのあるコスプレをしています。
ほぼすべての団体が、プラカードを先頭に 楽団 → コスプレ集団 → 屋台(山車?)という順序で行進していました。

なお、この団体ですが、一体何の集まりなのかと眺めていたところ、どうも学生たちのようです。上の写真のプラカードに小さく「Gymnasium」と書かれているのが見えるでしょうか?ギムナジウムというのはドイツの高校のようなものですので、これはそこの先生方+学生たちということだと思います。


f:id:tokkii88:20140302155205j:plain
▲サンプル2


f:id:tokkii88:20140302155917j:plain
▲サンプル3

Schuleも学校のことを指します。
ちなみに、3の写真の四角のプラカードに書かれている「17 hundert Johr sin mer jeck he am Rhing,~」というのはKölsch(ケルン語)です。


f:id:tokkii88:20140302160513j:plain
▲立派なものです


f:id:tokkii88:20140302161603j:plain
▲屋台(山車)の一例
割とコミカルなものが多いです。「デュッセルのパレードは政治的」というのは、こういった山車のデザインが政治批判・風刺を込めたものだったりするからだとか。


f:id:tokkii88:20140302162040j:plain
▲この衣装が一番かわいかった気がします

こんな感じで、パレードの雰囲気は伝わるでしょうか。道に沿って人が集まっているのは、絶好の見学ポイントを押さえるためでもあるのですが、このパレードをしながらお菓子がばら撒かれるからです。
あちこちから「Kamelle!(カメレー!)」という叫びが聞こえてきて面白いです。私は写真撮影に適したスポットを探していたため、お菓子はほぼ飛んできませんでした。月曜日に改めて訪れるつもりですので、その際はお菓子キャッチにチャレンジしてみようかしら。


ケルン その2 [Rosenmontag](3月3日 月)

この日がRosenmontag、カーニバルのハイライト...らしいです。
お昼頃ケルンに到着すると、少ししてRosenmontags Umzügeが始まりました。

どうも、昨日とは全くことなる団体がパレードしているようです。昨日は学生たち(比較的若い人たち)が主体でしたが、今日はおじさま方が主力といった感じです。まずは写真をご覧ください。

f:id:tokkii88:20140303145909j:plain
▲第一集団 Blaue Funken Korps


f:id:tokkii88:20140303153039j:plain
▲屋台も昨日より豪華?この上から、花やお菓子をばら撒いています


f:id:tokkii88:20140303154930j:plain
▲ひっくり返した傘を用い、お菓子の大量獲得を狙う模範的参加者


f:id:tokkii88:20140303162430j:plain
▲アーティスティックヤギ


f:id:tokkii88:20140303180254j:plain
▲馬車


f:id:tokkii88:20140303180335j:plain
▲こんな感じで馬もちらほら


f:id:tokkii88:20140303184316j:plain
▲本格的仮装


f:id:tokkii88:20140303184505j:plain
▲楽団も本格的


f:id:tokkii88:20140303185110j:plain
▲Kamelle


f:id:tokkii88:20140303170214j:plain
▲駅前の様子


以上のように、パレードは昨日より断然豪華でした。そして観客の数も昨日とは比べ物にならないくらい増えていました。写真を撮るのも一苦労でした。

肝心のお菓子ですが、私は一つ拾えたのみでした。日本の「お餅まき」のように、子供とおばさんがあまりにも素早くお菓子をキャッチしており、素人の私は手を出すことができませんでした。

お菓子は、"うまい棒"的な安価かつ大衆受けするものを投げているのかと思いきや、箱入りのしっかりしたチョコレートなども放り投げられていました。近場にキャッチした人がいたのでチラッと覗いてみたのですが、カーニバル特製包装がなされており、「2014 Köln Karneval」というようなロゴと写真がプリントされていました。何という力の入りっぷり...。

お菓子をばら撒くおじさんたちも、キャッチする子供たちも非常に楽しそうで、そこに音楽も加わって何とも陽気な雰囲気が漂っています。遠巻きに見ているだけでも心から楽しい気持ちにさせてもらえました。お菓子は拾えなかったけれど。

観客や参加者の様子

基本的に皆突き抜けて陽気です。カーニバル中は出店が出ており、あちこちでビールなどを購入可能なためか、大抵の人が酔っぱらっているような雰囲気でした。

ちょっと目があっただけで「ハロー!」とか「アラーフ!」とか声をかけてくれます。気持ちがいいですね。

帰りの電車でも、酔っぱらった陽気なおじさんが絡んでくれました。
「ニーハオ!」と満面の笑みで話しかけてきます。
「残念ながら私は日本人です」と答えると「そうだろ、だからニーハオさ!」とのこと。「それは中国語だよ」というと「あ、そうか!なんだっけ日本語は...『こんにちは!』これでしょ?」とノリノリで話しかけてくれました。

こちらもテンションに飲まれて楽しくなり、あれこれ話していたところビールをいただいてしまいました。
「ビールは?」と尋ねられたので「さっきKölschを飲んできましたよ」と答えたところ、「こっちの方がおいしいから飲んでごらん」と「Königs Pils」を手渡してくれたのです。電車内での飲酒は厳密にはルール違反なのかもしれませんが、カーニバルの日はほぼ皆片手にビール瓶・缶を持っています。

他には、
「君はいつ侍になるの?」
「日本と言えばハラキリだろ?」
「日本の宗教って何?」
「何でドイツにきたの?」
と色々質問してくれました。今まで、妙に日本に詳しい友人たちからアニメや漫画に関して質問されることが多かったため、典型的質問をされて嬉しく感じてしまいました。

そばにいた女の子が「今の日本といえば、アニメに漫画よ!サムライなんて古いわ!」というようなことを言っていましたが、おじさんの中ではもう少し古風なイメージを抱いていたようです。あえてステレオタイプ的なことを言ってからかっていただけなのかもしれませんが。

「今はどこに住んでいるの?」と尋ねられたので、「Wuppertalです」と答えたところ、「うわぁ、そりゃひどい」と言われました。正確には「Oh Scheiße!」だったのですが、直訳するのもアレなので「そりゃひどい」くらいのものかと思います。

何度か聞いたことがありましたが、Wuppertalはドイツ人にとって汚い街という印象が強いらしいのです。Wuppertal出身者を含めて、素敵なところだと礼賛している人を見たことがありません。
「まぁでも、あのSchwebebahnは良いよね。」とモノレールでフォローしてくれましたが、町自体が汚いことには同意だったので、「確かにScheißeかもしれません」としか返せませんでした。

そんなおじさんはポーランド出身らしいのですが、今はドイツに住んでいるのだそうです。
今度オランダに遊びに行こう!とよく分からない提案をしてくださり、「もし明日酔いがさめても君のことを覚えていたら何かメッセージを送るから」とFacebookでお友達になることになりました。
本当にその計画が実行されるのか定かではありませんが、もし何かありましたらまたここで報告します。


Wuppertalで下車した時点でおじさんとは別れてしまいましたが、先ほどのアニメ少女はWuppertalのギムナジウムに通う学生だったそうで、道中もう少し話をすることができました。

Naruto黒執事が好きなのだそうです。自分で絵も描いているほどのアニメファンらしいのですが、キャラクターがカッコいいか否かというのが彼女の中での価値基準だと明言しており、ワンピースなどはキャラクターの見た目がイマイチという理由で敬遠しているのだそうです。

しかし、好きな作品はとことん見ているようで「Narutoのペイン戦後の回想回の冗長さは異常。いつまでたっても話が前に進まないじゃないの。」などと、具体的な感想を聞かせてくれました。


若干話が逸れましたが、お祭りのテンションで不思議な出会いもあり、面白かったというお話しでした。

146日目(2月23日 日) ~ 161日目(3月10日 月) 最近のまとめ

最近のまとめ

前回記事をまとめてからだいぶ間が空いてしまいました。
いとこ氏は前回記事を書いた次の日(23日)の朝、ベルギーへ向かって旅立たれたので、私はその後部屋のお掃除などをして一日過ごしていました。
その後は平常運転と言えばそれまでなのですが、いくつか生活における変化やイベントがありましたので、トピックごとに記述していきます。

目覚まし時計

毎日授業は0815時から始まるのですが、朝が弱い私は寝坊を繰り返しておりました。
さすがに先生も「あ、こいつダメなやつだな」と分かってきたようで、「君は毎日例外なく遅れているようじゃないか。しっかりしたまえ。」というようなご注意をいただいてしまいました。
自分も喜んで遅れているわけではなかったので、何とかしなければと(今さらながら)思い立ち、目覚まし時計を購入しました。

今になって思えば、なぜ目覚まし時計を買うという発想がここまでなかったのか謎なのですが、おかげさまでこれ以降は寝坊回数は激減しました。
今までは携帯電話についているアラーム機能を利用していたのですが、その音に慣れてしまったのか全く気付かないことも多々ありました。アラームの音を変えてみたりしたのですが、特に効果はありませんでした。
今回購入した目覚ましのアラームは、緊急地震速報のような、危機感に訴えかけてくるようなけたたましいサウンドのため、スムーズに起床が可能です。

f:id:tokkii88:20140224210552j:plain
▲UFO的フォルムのラジオ付きWecker

ついでに、ラジオ機能もついています。最近はネットラジオのおかげで、日本に居ながらにしてドイツのラジオを聞くこともできてしまいます。私も渡航前にドイツ語の学習と称して作業用BGMにドイツラジオを聞いていたりしましたが、その際には広告が一部聞き取れる程度であとは言語というよりもただの"音"にしか聞こえませんでした。
せっかくラジオが手に入ったので、改めてリスニング訓練に使ってみようかと思います。さすがに以前よりは多少聞き取れるようになっていますが、まだまだ概要を掴むことができているかさえ怪しいところなので、情けない話です。

授業について

最近授業が楽しく感じており、我が事ながら驚いています。
ドイツ語を口に出すのも、文章として書くのも、以前より気負いせずにできるようになってきました。文法ミスは大量にしていますが、言いたいことを伝えられるようになったというだけでも嬉しいことです。
やはり語学の習得には時間がかかるようで、半年でようやく成長を実感できるレベルです。私が不真面目なだけかもしれませんが、半年留学だったら成長を実感できるかできないかという怪しいところで終了になっていて泣きを見ていた可能性が高いです。
まぁ、一年留学した場合帰ってから泣きを見る可能性が高いわけですが、それはそれということで。

以前もっとも苦手だった先生の授業が、最近では最も楽しく感じます。質問もしやすいですし、口語として言葉を使う機会が多くあるような気がするのです。新たな文法事項等々を学ぶ際は別の先生の方が分かりやすいのですが、練習に関してはこちらの先生の方がいいかもしれません。

日本にいる間から、授業を受ける際はなるべく最前列を陣取るようにしていました。先生から離れれば離れるほど、授業の内容に興味を持ちにくくなるというか、集中できなくなってしまうことが多いため、あえてそうしていたのですが、こちらの語学の授業では質問をフランクにすることができる都合上、最前列に座るメリットはそれにも増してかなり大きいです。
もちろん、後席からも質問はできるのですが、奥手な私は先生との距離が近い方が質問しやすく感じます。

デュッセルドルフにてスシ

タンデムには、トルコ出身でオペラを日本の先生から学んでいるという学生が来ているのですが、先日彼に日本のオペラと称して藤原義江を紹介したところ、大喜びしてくれてディナーに招待していただきました。
彼は今デュッセルドルフに住んでいるということでしたので、一緒にお寿司屋さんに行こうというのです。しかも奢ってくださるというではありませんか!ありがとう!!

というわけで、2月28日の金曜日にデュッセルドルフにお寿司を食べに行ってきました。
「Okinii Sushi」というお店なのですが、この界隈ではかなり有名らしく、予約が21時からしか取れなかったとのことで、やや遅めの晩御飯になりました。

デュッセルドルフといえば日本人が多く住んでいることで有名ですが、中でもImmermann Strasse(インメルマン通り)は日本人街といった様相を呈していると言われています。
確かに、通りを歩いていると日本語の看板が多く目に入り、和食料理屋や日本の食材を扱ったお店もちらほらあります。

想像していたほど日本人街という感じではありませんでしたが、それでも"日本的な何か"を求めて遊びに来る分には充分かと思います。

Okinii Sushiは噂通りの大盛況で、店内は奥行があって広いもののほぼ満席でした。ドイツのレストランでは、適当に席についてウェイターを待つ...というスタイルが主流なのですが、ここではウェイターが席まで案内してくれました。もしかしたらディナーは完全予約制なのかもしれません。

メニューとしてipadを手渡され、それを利用してデジタルに注文するというシステムでした。日本の居酒屋などでも最近はよく見かけるアレですね。
最初に何か飲み物を注文することになるのですが、寿司といえば緑茶!というのは日本人独特の慣習らしく、招待してくれた彼ともう一人の友人はコーラを注文していました。なかなかパンクです。他のメニューとしては、お酒の種類がやたら豊富でした。
料理は寿司の他に餃子や焼きそばといったものまで揃えられており、"寿司屋"というよりも"和食居酒屋"というような感じです。和食ということは、ドイツ人にとっては変わったものだらけだと思うのですが、全メニューが写真つきで、臆せず注文できるように配慮されています。

注文はipadなのですが、「一度に注文できるのは一人8品まで」という制約があり、これによって注文しすぎることを防いでいます。一度注文すると、10分ほど再注文できないような仕組みになっており、ipad上のゲージがなくなるまでは注文関連の操作ができません。ところが、この時間が、注文したものをちょうど食べ終わる頃に消費されるという素晴らしいタイミングに設定されているため、厄介に感じることはありません。
注文してから料理が運ばれてくるまでの時間もかなり短く、非常にシステマティックに運営されているようです。

f:id:tokkii88:20140228230204j:plain
▲スシ!

こちらでは生魚といえばサーモンが手に入りやすいらしく、スーパーで切り身が売られているほか、WuppertalのSushi and more...でもやたらサーモンがメニューに載っていました。が、ここでは代表的スシネタであるマグロも食すことができます。写真に撮るのを忘れて速攻で食べてしまったため、写っていませんが...
とにかく、そこら辺のアジアフード屋のスシよりは本格的です。

それから、店員さんはアジア系の方が多いのですが、ネームプレートを見る限り、日本人ばかりというわけでもないようです。どちらかというと中国系や韓国系の方の方が多いのかな?という印象でした。
「デュッセル=日本人まみれ」と思い込んでいたため、ちょっと意外でしたが、なんにせよ和食を味わいたくなったらデュッセルドルフはもってこいかと思います。

そんなわけで、久しぶりに和食をアレコレ食べたのですが、「これこれ!これが食べたかったの!やったー!」というような気持ちにはならず、「あ、エビフライだ。こっちは餃子か。へー。」くらいの落ち着いた感情だったのがなんだか残念だったような気もします。スシはこちらに来てから何度か食べてしまっていたため、感動が薄れたのかもしれません。う~ん...。

帰りの電車で元気なおじいちゃんと乗り合わせたのですが、カーニバルについてお話ししてくれました。何でも、日曜の昼からパレードのようなものがあって、ケルンやデュッセルドルフはかなり賑わうらしいです。
が、このパレードがちょっと曲者らしく、政治的なメッセージを盛り込んだパフォーマンスの場として利用されることもあるのだそうです。そのおじい様曰く、「デュッセルドルフは政治的に過ぎるから駄目だね。ケルンの方が楽しみ方をわかってるよ。あっちの方が断然いいね。」とのことです。
なるほど、カーニバルといっても街によって性格が異なるわけですか。見比べるのも面白そうですが、とりあえずはおじい様おすすめのケルンへ行ってみることにしました。
その後はなんかサッカーの話を延々としていたようですが、細かいことはよく分かりませんでした。何よりサッカーに関する予備知識がほぼ一切ないので、チーム名などを言われても全く分かりません。シャルケ...ああ、はいはいアレね。みたいな適当な相槌を打つのが精いっぱいです。

カーニバル

ということで続いてはカーニバルの話題です。
2月26日の水曜日から3月5日の水曜日まで、ここら一帯はカーニバルでした。カーニバルは昨年11月にも開催されましたが、今回の方が大規模なのかなという印象です。
他にも色々書きたいことがあるので、詳細は別記事にて。

ケルン語

ケルンには"Kölsch(ケルン語)"という、独自言語が存在しています。といっても、完全に別言語というわけではなく、ドイツ語の名残はあるのですが、単語や文法は若干異なっているようです。
ケルンのCDショップに行くと、"ケルン音楽"というコーナーがあり、そこでケルン語で歌うアーティストのCDを購入可能です。
カーニバルでは、ケルン語の歌をみんながあちこちで演奏し、歌っているので、それで興味を持った方はケルンのMedia MarktやSaturnを尋ねてみることをお勧めします。

ケルン語を解さないドイツ人でも、ケルン語を聞いたり読んだりすれば何となく何を言っているか分かるようですが、話したり書いたりはできないようです。

日本でいうところの東北弁や沖縄弁のようなものかもしれません。
関西弁くらいであれば、お笑い文化の影響で、何となく真似できてしまいますが、さらに強烈な訛りや方言が入ってくると、聞き取ることすら困難だったりします。

部活の先輩と再会

以前いとこが遊びに来ていた際に、先輩がWuppertalに寄ってくださったという話を書きましたが、今度は別の先輩がドイツ旅行に来るということで、ケルンにてお会いすることになりました。そういえば、今頃は卒業旅行シーズンなのですね。

今回お会いする先輩は、幼少期をドイツで過ごしたいわゆる帰国子女に該当する方なのですが、ドイツ語はほとんど忘れてしまい、話せないとのことです。確かに、使う機会がなければ忘れてしまいますよね。
ミュンヘンを擁するバイエルン地方で小学生時代の数年間を過ごしたらしく、当時の日本人学校にご挨拶などをしながら観光してドイツを回るのだそうです。

ちょうどケルンもその観光ルート上に入っているとのことだったので、そこで合流させていただくことになったわけです。

ケルンは何度か訪れていますが、まだすべて見尽くしてはいません。今回も新たな発見がありました。ケルン大聖堂を見に行ったのですが、塔の上部へ上ることができるのだそうです。今ままでは、フリーエントリーの聖堂内部しか見学したことがありませんでした。

塔の上部まではかなりの高さがあるのですが、1200年代着工の教会建築の中にエレベーターがあるわけもなく、ひたすら狭い螺旋階段を上ることになりました。
狭い階段ですれ違ったりするのは中々スリリングでした。また、ひたすら狭いので、閉所恐怖症の方は上っている途上で参ってしまうかもしれません。私もちょっと怖くなりました。

が、頑張って登りきれば教会越しにケルン市内を一望できます。

f:id:tokkii88:20140308163336j:plain
▲頂上からの展望

大聖堂を堪能したのちは、いつぞや同様にチョコレート工場へ。今回はしっかり内部も見学してきました。

館内にチョコレート製造ラインが再現されており、実際にチョコレートを製造している過程を眺めることができます。最終的に袋詰めする工程は人手でやるほかないらしく、おばさんが一人ショウウインドウの中で働いていました。人目にさらされながら作業をするのはかなり疲れそうです。

後は、チョコレート包装が年代ごとに並んでいたりと、ぼーっと眺めていても面白い展示にあふれていました。

f:id:tokkii88:20140308191532j:plain
▲東ドイツ20周年記念?チョコ

道中お土産屋巡りをしていたのですが、これもなかなか面白かったです。自分は、まだ半年滞在するし...と思い、今まで真面目にお土産屋に立ち寄ったことはありませんでした。が、あれこれ見ているだけでも楽しむことができるということを発見できました。

夜はBrauhausで晩御飯です。
ところが、先輩も私もお酒に弱いため、心から楽しむことができませんでした。ドイツでレストランへ行けば、大抵飲み物はビールになるかと思います。というのも、ソフトドリンクや水の方が場合によってはビールより高いからです。そして、各町に独自ブランドのビールが存在するため、観光客ならばなおさらビールを飲んでおいた方がいいような気にさせられてしまいます。
何より、 Brauhausというのはビールの醸造所を指しますので、ここに来ておいてビールを飲まないのは蕎麦屋に行ってうどんを食べるようなものです。

というわけで、ウェイターさんも「ビール人数分でいいかい?」というテンションで接客をしています。「まぁせっかくですし...」ということで一杯目はビールを注文したのですが、飲み終わったグラスを放置しておいたら、ウェイターさんが満面の笑みでグラスを取り換えてくれました。
つまり、黙っていれば無限にビールのおかわりが出てくるという"わんこ蕎麦"ならぬ"わんこビール"システムなのです。
Nein Dankeという隙もありませんでしたので、私はあきらめてビールを飲んでいましたが、先輩は放置していました。

f:id:tokkii88:20140308210641j:plain
▲50cmソーセージなど

食事はおいしいので楽しむことはできますが、アルコールに強ければもっと楽しめただろうにと思わないでもありません。

今後の方針について

最近のまとめ

毎日記事を更新すると約束したな。...あれは嘘だ。(挨拶)

というわけで、しばらく更新をサボってしまっていました。申し訳ありません。「日々の小さな発見を記録に残す」というコンセプトの元、一日一記事を誓っておりましたが、先月あたりから崩れ始め、ついには二週間放置するという体たらくに。どうやら私の限界は100日前後のようです。100日坊主。

かといって、ここで更新をやめてしまうのももったいないので、今後は気分更新でいこうかなと思います。毎日更新は無理な気がしてきました。

理由(言い訳)は以下の通り。

・半年生活したことによって様々なことに慣れてきてしまった
 → 日々の発見や感動する機会の減少・鈍化 ≒ 記録することに対する意欲減退

・小さな発見をすべて記録するつもりだったものの、キリがないことに気付いた
 → 無意識のうちに消化している発見や経験も多いうえ、すべては書ききれない

・更新に時間がかかりすぎる
 → 文章を書くのが下手くそなため、記事一つにつき1~2時間かかることも
   時間がもったいないような...

以上、3点が主要な理由です。
要は面倒になってしまったということなのですが、そう感じる要因となっているものが上記の3点だと思われますので、これ以上の釈明は不可能です。どうもすみません。

というわけで、今後は小さな発見・感動は無言で消化し、中~大規模な発見、感動を書き残していこうと思います。
もちろん、生活レベルで役に立ちそうな豆知識などは極力残していくつもりですが、生活に慣れてきてしまったために、渡航当初にどのようなことを知りたいと思っていたかということを忘れつつあります。したがって、これからドイツで生活するという留学生などが、どのような情報を求めているのかということを察知しづらくなってしまいました。渡航当初は、「これが事前に分かっていたらよかったのに」と感じる情報が多々あったため、書き残すのも楽でした。最近はもはや...という感じです。

そんなわけで、言い訳を終えたところで最近のまとめなどを書き残していこうと思います。

145日目(2月22日 土) ケルン + アーヘン観光

ケルン + アーヘン観光

先輩とは昨日お別れでしたが、いとこ氏はまだここに滞在することになっていました。今日は一緒にケルン、アーヘンへ行くことに。

ケルンは何度か訪れていますが、せいぜい大聖堂くらいしかまともに見たことはありませんでした。今回は、地球の歩き方に載っていたビア・ホールや、「チョコレート博物館」も含めて観光する予定です。

ケルン大聖堂は、ケルン中央駅を降りて目の前にあるのですが、横目で見ながらまずは昼食へ。そのすぐそばにあるというビア・ホールを目指しました。ビア・ホールでは、ケルンのビール「Kölsch」の他に「Rheinischer sauerbraten」という、牛肉の赤ワイン酢漬けが有名らしく、これを食べようと事前に決めていました。

f:id:tokkii88:20140222134736j:plain
▲Rheinischer sauerbraten。お皿に載っているのは肉とKnödelのみで、双方とも味が濃くちょっとくどい。Schnitzelの方が私は好きです。

Kölschも併せて頼んだのですが、いとこ氏の所感は「水みたい」とのことでした。私はビールみたいだと思っていました。なんというか、日本のビールと似ているような気がするのですが、そもそも私はお酒に弱いし、ビールは炭酸入り麦茶だと思っているような人間なので、これに関しては私の味覚は当てにならないかもしれません。

その後チラッと聖堂を観光し、チョコレート博物館へ。博物館はライン川沿いに少し南下したところに位置しています。徒歩で行ける距離なので助かりますね。

チョコレート博物館は、その名の示す通りチョコ関連の何かを見学できるようなのですが、今回は中を見ずに終わりました。というのも、お土産コーナーでいろんなチョコを物色し、カフェコーナーでのんびりチョコケーキとホットチョコレートを味わっていたらそれで満足してしまったからです。

特に、カフェはライン川に面したガラス張りの一帯を陣取っており、晴れていれば景色も良く、非常に心地よく時間を過ごすことができます。この日も晴れていたため、もう動きたくなくなりました。

f:id:tokkii88:20140222152245j:plain
▲ケーキとココア。

帰りに、チョコパスタとトリュフチョコの詰め合わせを買って、次の目的地であるアーヘンに向かいました。

アーヘンでは、以前国際交流課のイベントで訪れたドイツ・ベルギー・オランダの三か国の国境が接しているポイントを見に行く予定でした。
が、私はそこまでどうやっていくのか忘れてしまったため、とりあえずアーヘン中央駅まで来たもののそれ以降はノープランという有様でした。結局、DB[Deutsche Bahn]の案内所(緑の窓口のドイツ版)で道を尋ねてなんとかなりました。

今まで知らなかったのですが、DBの案内所では電車だけでなくバス等々も含めて案内してくれるのですね。てっきり電車関連情報のみかと思ったのですが、ツーリストインフォメーションと思って差し支えないようです。現在地から目的地までの行程を印刷していただくことができました。

国境地点へ向かうためには、アーヘン中央駅ではなく、その一つ隣の[Aachen schanz(アーヘン シャンツ)]という駅へ向かう必要があったようです。そこからバスで国境ギリギリまで行き、以後徒歩で目的地へ向かうことになります。徒歩ルートは記憶に残っていたため迷わずに済みました。

ところで、私はセメスターチケットの恩恵によってバスは無料で乗り放題なのですが、いとこ氏はそうではありません。バスに乗る際にその事情を説明して、一人分のチケットを購入しようとしたのですが、DBの案内所で印刷してもらった紙を見せつつ目的地を伝えたところ「チケットは買わなくていい」というような反応をされました。

え?どういうこと?と思いましたが、早く席についてくれ、と促されました。目的地までは6、7駅分乗ったため、サービスというには気前が良すぎます。何だったのでしょうか。ちなみに帰りも全く同じ対応をされました。もしかしてセメスターチケットで二人乗れるのでしょうか?いや、でもそんなはずは...。謎です。

なんにせよ、おかげさまでスムーズに目的地へたどり着くことができました。


f:id:tokkii88:20140222183329j:plain
▲三か国の国境線。私が立っているのがベルギーで、左側の細いエリアがオランダ、写真上の広いエリアがドイツ。

f:id:tokkii88:20140222185338j:plain
▲付近に展望台がありました。前回登れなかったため、今回はこちらにも行ってみました。3ユーロほど支払ったように記憶しています。頂上まで、徒歩で階段を上らねばなりません。それは問題ないのですが...

f:id:tokkii88:20140222184919j:plain
▲階段(というか足場すべて)が写真のように網目状になっており、下がスケスケなのです。これには参りました。自分は高いところが平気な方だと思っていたのですが、完全に足がすくんでいました。

f:id:tokkii88:20140222184724j:plain
▲展望台からの眺め。冷や冷やしながら登りきると、ちょうど夕焼け空でなかなかキレイでした。

階段を上っている最中に二人組のおじさんに出会いました。「お先にどうぞ!」と道を譲ってくれたのですが、頂上で再会したので、「ここの階段とんでもなくコワイですね。」と話しかけてみたところ「ああ、ヤバかったね。下を見たら負けだよ。」と賛同を得られました。私だけではなかったようです。

彼らはアメリカから仕事でドイツに来ているのだとか。階段で会ったときにナチュラルに「Sorry」と言われたので英語圏の人かなぁと思っていたのですが、当たりでした。なかなかフレンドリーな方たちで、写真を撮ってくださったりしました。ありがたや。

ここは私も前回しっかり見て回れなかったため、再訪できてよかったです。

30分ほどあたりを見て回ってから帰宅したのですが、帰るころにCさんが連絡をくれました。「うちにwiiやりに来ない?」というお誘いでした。彼らからしたら、"友人のもとにいとこが訪れている"という事象は完全に他人事のはずなのですが、とても気を遣ってくれます。こちらへ渡航した当初は、ドイツ人は厳しくてお堅いというステレオタイプを持っていたのですが、全くそんなことはありませんでした。本当に親切でフレンドリーで気さくです。全くありがたい友人たちです。

お言葉に甘えて、wii会を開いていただくことにしました。チョコレート博物館で購入したトリュフチョコをお土産に持って行ったのですが、そのチョコは高級な部類のメーカーのものだったらしいことが分かりました。ドイツに来てから4か月ほどになりますが、チョコのメーカーについては何も知りませんでした。

私はこの日も何故だか疲れ果ててしまっており、ゲームをしているうちに寝てしまいました。何でこんなに眠かったんでしょう。よく分かりませんが、せっかくご招待いただいたのに無礼なことをしてしまいました。いとこ氏は楽しんでいたようなのでよかったですが。

そんなわけで、この日も日付が変わるまで遊ばせていただきました。運動不足の自覚はありましたが、私には遊ぶ体力すらなくなってしまったようです。