Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

146日目(2月23日 日) ~ 161日目(3月10日 月) 最近のまとめ

最近のまとめ

前回記事をまとめてからだいぶ間が空いてしまいました。
いとこ氏は前回記事を書いた次の日(23日)の朝、ベルギーへ向かって旅立たれたので、私はその後部屋のお掃除などをして一日過ごしていました。
その後は平常運転と言えばそれまでなのですが、いくつか生活における変化やイベントがありましたので、トピックごとに記述していきます。

目覚まし時計

毎日授業は0815時から始まるのですが、朝が弱い私は寝坊を繰り返しておりました。
さすがに先生も「あ、こいつダメなやつだな」と分かってきたようで、「君は毎日例外なく遅れているようじゃないか。しっかりしたまえ。」というようなご注意をいただいてしまいました。
自分も喜んで遅れているわけではなかったので、何とかしなければと(今さらながら)思い立ち、目覚まし時計を購入しました。

今になって思えば、なぜ目覚まし時計を買うという発想がここまでなかったのか謎なのですが、おかげさまでこれ以降は寝坊回数は激減しました。
今までは携帯電話についているアラーム機能を利用していたのですが、その音に慣れてしまったのか全く気付かないことも多々ありました。アラームの音を変えてみたりしたのですが、特に効果はありませんでした。
今回購入した目覚ましのアラームは、緊急地震速報のような、危機感に訴えかけてくるようなけたたましいサウンドのため、スムーズに起床が可能です。

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▲UFO的フォルムのラジオ付きWecker

ついでに、ラジオ機能もついています。最近はネットラジオのおかげで、日本に居ながらにしてドイツのラジオを聞くこともできてしまいます。私も渡航前にドイツ語の学習と称して作業用BGMにドイツラジオを聞いていたりしましたが、その際には広告が一部聞き取れる程度であとは言語というよりもただの"音"にしか聞こえませんでした。
せっかくラジオが手に入ったので、改めてリスニング訓練に使ってみようかと思います。さすがに以前よりは多少聞き取れるようになっていますが、まだまだ概要を掴むことができているかさえ怪しいところなので、情けない話です。

授業について

最近授業が楽しく感じており、我が事ながら驚いています。
ドイツ語を口に出すのも、文章として書くのも、以前より気負いせずにできるようになってきました。文法ミスは大量にしていますが、言いたいことを伝えられるようになったというだけでも嬉しいことです。
やはり語学の習得には時間がかかるようで、半年でようやく成長を実感できるレベルです。私が不真面目なだけかもしれませんが、半年留学だったら成長を実感できるかできないかという怪しいところで終了になっていて泣きを見ていた可能性が高いです。
まぁ、一年留学した場合帰ってから泣きを見る可能性が高いわけですが、それはそれということで。

以前もっとも苦手だった先生の授業が、最近では最も楽しく感じます。質問もしやすいですし、口語として言葉を使う機会が多くあるような気がするのです。新たな文法事項等々を学ぶ際は別の先生の方が分かりやすいのですが、練習に関してはこちらの先生の方がいいかもしれません。

日本にいる間から、授業を受ける際はなるべく最前列を陣取るようにしていました。先生から離れれば離れるほど、授業の内容に興味を持ちにくくなるというか、集中できなくなってしまうことが多いため、あえてそうしていたのですが、こちらの語学の授業では質問をフランクにすることができる都合上、最前列に座るメリットはそれにも増してかなり大きいです。
もちろん、後席からも質問はできるのですが、奥手な私は先生との距離が近い方が質問しやすく感じます。

デュッセルドルフにてスシ

タンデムには、トルコ出身でオペラを日本の先生から学んでいるという学生が来ているのですが、先日彼に日本のオペラと称して藤原義江を紹介したところ、大喜びしてくれてディナーに招待していただきました。
彼は今デュッセルドルフに住んでいるということでしたので、一緒にお寿司屋さんに行こうというのです。しかも奢ってくださるというではありませんか!ありがとう!!

というわけで、2月28日の金曜日にデュッセルドルフにお寿司を食べに行ってきました。
「Okinii Sushi」というお店なのですが、この界隈ではかなり有名らしく、予約が21時からしか取れなかったとのことで、やや遅めの晩御飯になりました。

デュッセルドルフといえば日本人が多く住んでいることで有名ですが、中でもImmermann Strasse(インメルマン通り)は日本人街といった様相を呈していると言われています。
確かに、通りを歩いていると日本語の看板が多く目に入り、和食料理屋や日本の食材を扱ったお店もちらほらあります。

想像していたほど日本人街という感じではありませんでしたが、それでも"日本的な何か"を求めて遊びに来る分には充分かと思います。

Okinii Sushiは噂通りの大盛況で、店内は奥行があって広いもののほぼ満席でした。ドイツのレストランでは、適当に席についてウェイターを待つ...というスタイルが主流なのですが、ここではウェイターが席まで案内してくれました。もしかしたらディナーは完全予約制なのかもしれません。

メニューとしてipadを手渡され、それを利用してデジタルに注文するというシステムでした。日本の居酒屋などでも最近はよく見かけるアレですね。
最初に何か飲み物を注文することになるのですが、寿司といえば緑茶!というのは日本人独特の慣習らしく、招待してくれた彼ともう一人の友人はコーラを注文していました。なかなかパンクです。他のメニューとしては、お酒の種類がやたら豊富でした。
料理は寿司の他に餃子や焼きそばといったものまで揃えられており、"寿司屋"というよりも"和食居酒屋"というような感じです。和食ということは、ドイツ人にとっては変わったものだらけだと思うのですが、全メニューが写真つきで、臆せず注文できるように配慮されています。

注文はipadなのですが、「一度に注文できるのは一人8品まで」という制約があり、これによって注文しすぎることを防いでいます。一度注文すると、10分ほど再注文できないような仕組みになっており、ipad上のゲージがなくなるまでは注文関連の操作ができません。ところが、この時間が、注文したものをちょうど食べ終わる頃に消費されるという素晴らしいタイミングに設定されているため、厄介に感じることはありません。
注文してから料理が運ばれてくるまでの時間もかなり短く、非常にシステマティックに運営されているようです。

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▲スシ!

こちらでは生魚といえばサーモンが手に入りやすいらしく、スーパーで切り身が売られているほか、WuppertalのSushi and more...でもやたらサーモンがメニューに載っていました。が、ここでは代表的スシネタであるマグロも食すことができます。写真に撮るのを忘れて速攻で食べてしまったため、写っていませんが...
とにかく、そこら辺のアジアフード屋のスシよりは本格的です。

それから、店員さんはアジア系の方が多いのですが、ネームプレートを見る限り、日本人ばかりというわけでもないようです。どちらかというと中国系や韓国系の方の方が多いのかな?という印象でした。
「デュッセル=日本人まみれ」と思い込んでいたため、ちょっと意外でしたが、なんにせよ和食を味わいたくなったらデュッセルドルフはもってこいかと思います。

そんなわけで、久しぶりに和食をアレコレ食べたのですが、「これこれ!これが食べたかったの!やったー!」というような気持ちにはならず、「あ、エビフライだ。こっちは餃子か。へー。」くらいの落ち着いた感情だったのがなんだか残念だったような気もします。スシはこちらに来てから何度か食べてしまっていたため、感動が薄れたのかもしれません。う~ん...。

帰りの電車で元気なおじいちゃんと乗り合わせたのですが、カーニバルについてお話ししてくれました。何でも、日曜の昼からパレードのようなものがあって、ケルンやデュッセルドルフはかなり賑わうらしいです。
が、このパレードがちょっと曲者らしく、政治的なメッセージを盛り込んだパフォーマンスの場として利用されることもあるのだそうです。そのおじい様曰く、「デュッセルドルフは政治的に過ぎるから駄目だね。ケルンの方が楽しみ方をわかってるよ。あっちの方が断然いいね。」とのことです。
なるほど、カーニバルといっても街によって性格が異なるわけですか。見比べるのも面白そうですが、とりあえずはおじい様おすすめのケルンへ行ってみることにしました。
その後はなんかサッカーの話を延々としていたようですが、細かいことはよく分かりませんでした。何よりサッカーに関する予備知識がほぼ一切ないので、チーム名などを言われても全く分かりません。シャルケ...ああ、はいはいアレね。みたいな適当な相槌を打つのが精いっぱいです。

カーニバル

ということで続いてはカーニバルの話題です。
2月26日の水曜日から3月5日の水曜日まで、ここら一帯はカーニバルでした。カーニバルは昨年11月にも開催されましたが、今回の方が大規模なのかなという印象です。
他にも色々書きたいことがあるので、詳細は別記事にて。

ケルン語

ケルンには"Kölsch(ケルン語)"という、独自言語が存在しています。といっても、完全に別言語というわけではなく、ドイツ語の名残はあるのですが、単語や文法は若干異なっているようです。
ケルンのCDショップに行くと、"ケルン音楽"というコーナーがあり、そこでケルン語で歌うアーティストのCDを購入可能です。
カーニバルでは、ケルン語の歌をみんながあちこちで演奏し、歌っているので、それで興味を持った方はケルンのMedia MarktやSaturnを尋ねてみることをお勧めします。

ケルン語を解さないドイツ人でも、ケルン語を聞いたり読んだりすれば何となく何を言っているか分かるようですが、話したり書いたりはできないようです。

日本でいうところの東北弁や沖縄弁のようなものかもしれません。
関西弁くらいであれば、お笑い文化の影響で、何となく真似できてしまいますが、さらに強烈な訛りや方言が入ってくると、聞き取ることすら困難だったりします。

部活の先輩と再会

以前いとこが遊びに来ていた際に、先輩がWuppertalに寄ってくださったという話を書きましたが、今度は別の先輩がドイツ旅行に来るということで、ケルンにてお会いすることになりました。そういえば、今頃は卒業旅行シーズンなのですね。

今回お会いする先輩は、幼少期をドイツで過ごしたいわゆる帰国子女に該当する方なのですが、ドイツ語はほとんど忘れてしまい、話せないとのことです。確かに、使う機会がなければ忘れてしまいますよね。
ミュンヘンを擁するバイエルン地方で小学生時代の数年間を過ごしたらしく、当時の日本人学校にご挨拶などをしながら観光してドイツを回るのだそうです。

ちょうどケルンもその観光ルート上に入っているとのことだったので、そこで合流させていただくことになったわけです。

ケルンは何度か訪れていますが、まだすべて見尽くしてはいません。今回も新たな発見がありました。ケルン大聖堂を見に行ったのですが、塔の上部へ上ることができるのだそうです。今ままでは、フリーエントリーの聖堂内部しか見学したことがありませんでした。

塔の上部まではかなりの高さがあるのですが、1200年代着工の教会建築の中にエレベーターがあるわけもなく、ひたすら狭い螺旋階段を上ることになりました。
狭い階段ですれ違ったりするのは中々スリリングでした。また、ひたすら狭いので、閉所恐怖症の方は上っている途上で参ってしまうかもしれません。私もちょっと怖くなりました。

が、頑張って登りきれば教会越しにケルン市内を一望できます。

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▲頂上からの展望

大聖堂を堪能したのちは、いつぞや同様にチョコレート工場へ。今回はしっかり内部も見学してきました。

館内にチョコレート製造ラインが再現されており、実際にチョコレートを製造している過程を眺めることができます。最終的に袋詰めする工程は人手でやるほかないらしく、おばさんが一人ショウウインドウの中で働いていました。人目にさらされながら作業をするのはかなり疲れそうです。

後は、チョコレート包装が年代ごとに並んでいたりと、ぼーっと眺めていても面白い展示にあふれていました。

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▲東ドイツ20周年記念?チョコ

道中お土産屋巡りをしていたのですが、これもなかなか面白かったです。自分は、まだ半年滞在するし...と思い、今まで真面目にお土産屋に立ち寄ったことはありませんでした。が、あれこれ見ているだけでも楽しむことができるということを発見できました。

夜はBrauhausで晩御飯です。
ところが、先輩も私もお酒に弱いため、心から楽しむことができませんでした。ドイツでレストランへ行けば、大抵飲み物はビールになるかと思います。というのも、ソフトドリンクや水の方が場合によってはビールより高いからです。そして、各町に独自ブランドのビールが存在するため、観光客ならばなおさらビールを飲んでおいた方がいいような気にさせられてしまいます。
何より、 Brauhausというのはビールの醸造所を指しますので、ここに来ておいてビールを飲まないのは蕎麦屋に行ってうどんを食べるようなものです。

というわけで、ウェイターさんも「ビール人数分でいいかい?」というテンションで接客をしています。「まぁせっかくですし...」ということで一杯目はビールを注文したのですが、飲み終わったグラスを放置しておいたら、ウェイターさんが満面の笑みでグラスを取り換えてくれました。
つまり、黙っていれば無限にビールのおかわりが出てくるという"わんこ蕎麦"ならぬ"わんこビール"システムなのです。
Nein Dankeという隙もありませんでしたので、私はあきらめてビールを飲んでいましたが、先輩は放置していました。

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▲50cmソーセージなど

食事はおいしいので楽しむことはできますが、アルコールに強ければもっと楽しめただろうにと思わないでもありません。