Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

136日目(2月13日 木) 三度コブレンツへ

三度コブレンツへ

今年から木曜が休みになりましたので、今日は一日自由に使うことができます。というわけでお出かけしてきました。

行先はコブレンツです。しかも、依然訪れたのと同じ軍事技術博物館なのですが、今回は友人と一緒に訪れました。
Jさん主催のアニメ会に毎回一緒に参加していた友人に『Girls und Panzer』をお勧めしてみたところ、せっかくならばドイツにいる間にリアルPanzerを見ておきたい!という話になったのです。

戦車ならばMunsterへ、といいたいところですが日帰りが困難なうえに3月まで休館中のため、気軽に行けるコブレンツを再訪することにしました。

コブレンツまではここから鈍行で2時間ほどなのですが、同行者がいると2時間など全く苦にならないものです。他愛もない話であっても、話を聞いてくれる人がいるというのはありがたいことです。
ドイツに来てからは、一人旅しかしてこなかったため、道中の電車内では本を読んでいるか寝ているかというような淡泊な過ごし方をしていました。一人旅も好きなのですが、たまには友人と出かけるのもいいものです。いつも乗っている鈍行列車が新鮮に感じられました。

ケルンで乗り換えることになったのですが、ケルン駅でウロウロしていたところドイツの学生さんに話しかけられました。「こんにちは。日本人ですか?私、日本語を勉強してたんです。」となかなか流暢な日本語で話しかけてきたため驚きました。
日本でこういう人に話しかけられたら、げっ、怪しい奴!という反応をされてしまうかもしれませんが、こちらに来てからヨーロッパ人のコミュニケーション力は別次元のものであることを思い知らされていたため、身構えることはありませんでした。
「僕は日本から来てドイツ語を勉強しています」と伝えたところ、「え、じゃあドイツ語話せますか?」と言われて会話練習の相手になってくれました。3分足らずで別れてしまいましたが、面白い出会いでした。現在Trierの大学で勉強しているのだとか。

そんなことを経て、コブレンツに到着したのはちょうどお昼時でしたのでまずは昼食を、ということでレストランを探すことに。
一人旅の折には大抵パンをつまんだり、Dönerやソーセージを歩き食いして適当に済ませていた昼食ですが、旅先でレストラン探しをするのも楽しいものだということを再発見しました。

レストランだと、メニューを見ていくつか拾った単語から料理内容を推測して注文するという楽しみも味わうことができます。DönerはどこにいってもDönerですが、さすがにレストランではそうはいきません。
無意識下に、こういう不確定要素が怖くて今までレストランを避けていたのかもしれませんが、そういう小さな冒険も友人がいればゲーム的に楽しめるものです。

食後はいよいよ目的地へ向かうわけですが、前回同様徒歩で移動することになりました。前回は散々迷子になりましたが、今回は大丈夫!と気楽に構えていたところ、前回と同じミスを犯して一本隣の橋を渡ることになってしまいました。が、その後は前回と異なるルートを選び、同じミスから逃れようとしたのですが、それが大失敗でよりわけのわからない道を進むことになってしまいました。
しかも、この日は天気が悪く、ちょうど雨が降ってきてしまって面倒なことに。
かなり大回りをしてしまいましたが、道中連邦軍の駐屯地を見つけたりもできたので私個人にとっては怪我の功名と言えなくもない迷子でしたが、友人には申し訳ないことをしてしまいました。

本来なら駅から徒歩30分くらいのところを、道中食事休憩があったとはいえ1時間以上かかってしまいました。いやはや。

14時くらいに到着して、1~2時間見学できたように記憶しています。私は初めてではなかったので、友人にニワカ知識で偉そうにアレコレ解説をしたりしていたのですが、聞かされる方からしたら堪ったものではなかったかと思います。こういう場合、話し手は一方的に楽しいので不公平です。話したもの勝ちです。同行を許可していただいたお友達様に感謝。

前回訪れた折に、噂で聞いていた目玉展示がなかったという話をちらっと書きましたが、今回それも含めてじっくり探してみましたがやっぱりありませんでした。以前写真を見直していた際に、「あ、これがヤークトパンターだったかも!」と思ったものがあったのですが、Munsterで本物を見てきた後で見直してみたらどうやら別物でした。

帰り際に受付のおじさんに「イッヒ ハーベ ゲヘルト ダス ヒア カン マン ヤークトパンター ゼーエン」(ここでヤークトパンターが見れると聞いたのですが...)みたいなことを言って質問してみたところ、「いや、もうないよ。」と悲しいお返事がありました。「じゃあ今はどこに?」と尋ねたところ「Trier(トリーア)」と仰っていました。奇しくも、先ほどケルンで出会った学生さんが勉強しているといっていた街です。
「博物館があるんですか?」と確認したところ、違うといっていたような気がするので、多分レストア的な何かをしているのではないかと思います。へちょへちょのドイツ語で会話していたので聞き間違いがあるかもしれませんが...

帰りにはまたミュージアムショップである書店に寄ってみました。書店には模型コーナーもあるのですが、前回はざっとタミヤを始めとするおなじみのメーカーしかないことを確認していました。もしドイツ製のドイツ戦車のプラモデルがあったらお土産にほしいと思っていたので、今回は念のためお店のおばさんに確認してみたのですが、面白いことになりました。

どうも今までそういう質問はされたことがなかったらしく「え~?ドイツの会社の製品?Rocoならあるけどオーストリアだし...う~ん。」といった感じでよく分からない様子。とりあえず探してみようということで、一緒に棚をアレコレ見ていたのですが、日本・中国以外のメーカーだと、チェコポーランドの物くらいしか見当たらず、やはりドイツ製のものは見当たりませんでした。

ジオラマキットとして、兵士のフィギュアや戦車の砲塔周りの部品と言った細々したものは見つかったのですが、ちょっとお土産向きではないですね。結局、ドイツ製の"プラモデル"は見つかりませんでした。「でも、面白い発見ができたのでよかったです。とにかくありがとうございました。」と伝えたところ、「私にとっても面白い発見でした。」と言われてしまいました。

やはり自国の黒歴史を掘り起こすようなプラモデルは作っていないのでしょうか。一方の日本は...という感じですが。ちょろっと調べてみたところ、鉄道模型のメーカーはたくさん存在しているようですね。

というわけで、ドイツに来てから初のリピーター観光をしたわけですが、二度目の見学だと写真を撮らなければいけない義務感から解放されるうえ、大まかな配置等を把握したうえで細かい点を気にして見て回ることができるため、穏やかな気持ちで楽しむことができるということが分かりました。

前回はかなり時間をかけて見て回りましたが、残ったのは大量の写真と疲労感が主でした。今回は純粋に楽しく見れましたし、前回帰ってから気になっていた点もいくつか解決したのでよかったです。

しかし、リピートを前提に観光するとなると一年では到底足りません。もっと積極的にあちこち見て回って、授業終了と同時に気に入ったところをピンポイントで見直してくるのもいいかもしれません。