Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

92日目(12月31日) 大晦日 Silvester

大晦日 Silvester

今日は子供たちに連れられてまた外へ出かけることになりました。なんでも「村の素敵スポットを紹介してあげる!」とのことだったのですが、狭い抜け道を通ったり、泥だらけの道を迂回することなく突っ切っていったりと昨日とは異なる意味でスリリングでした。

自分も小学生の頃はそうだったのかもしれませんが、子供たちは怖いもの知らずです。自ら3K(危険・汚い・キツイ)な所へ突っ込んでいきます。この年になってから、小学生くらいの子供たちと触れ合う機会はあまりなかったため色々衝撃を受けたことや発見がありました。
ということで今日は3つのKの観点から子供たちの行動を振り返ってみようと思います。

その1:危険

「川を見せてあげる!」というのでついて行ってみると、せっかく緩やかに川までたどり着ける道があるというのに、雨水用の排水路を伝って川まで下りていこうとします。無論人が通ることなど想定されていないため、手すりや何かがあるわけもなく、またやや急な斜面になっておりまさに危険な感じ。転べばそのまま川まで落ちていけます。

「危ないから戻っておいでよ」と言っても、「怖がってないで早くおいでよ!」と煽られる始末。参ったなぁと思いつつもどうすることもできず、とりあえずまずいことにならないように見ていたら孫二号が不安そうな顔で戻ってきました。

何かよろしくない植物に触ってしまったらしく、手がかぶれてしまったらしいです。こりゃいかんと思い、一旦家に帰ろう!と促したのですが、なぜか「ちょっと待って!」と言って聞いてくれません。何だろう?と思っていると別の植物をむしり取ってきて「これがかぶれに聞くんだよね」と言って手に当てがっています。

え!?それでいいの!?と思っていたのですが、本人は余裕の表情で「よし、治った!次へ行こう!」と言っていました。豪胆です。

その2:汚い

村にはいろんな動物がいます。子供たちは動物が大好きなようで、見つけるたびに餌をやりに行こう!といって走っていきます。
最初は羊を見つけました。羊は柵の中で飼われているため、近づいて触ることはできないのですが、どうしても餌(といってもその辺の草をむしっただけなのですが)をやりたかったらしく、柵の前で羊の鳴きまねをしておびき寄せようとしていました。「君も手伝って!」と言われ、みんなで鳴きまねをする不思議な会になりました。

その後は「馬を見せてあげる!」とのことで、厩舎があるところまで連れて行ってくれました。厩舎は村の中でも森の方にあり、泥んこの道を歩いて行かなければなりません。私は「うへぇ、馬糞!」とか思いながら足元ばかり気にして歩いていたのですが、子供たちはその程度のことは意に介さず意気揚々と歩いていきます。
厩舎に着くと、早速「餌やりだ!」といって草をむしり始めました。馬もホイホイ触るし、その辺に落っこちている泥だらけの木の棒なんかも「あ、これかっこいい!」とかいって拾ってきます。私が潔癖症気味なのかもしれませんが、汚れを気にせずに遊んでいる姿を見てすごいなぁと思いました。

そういえば孫二号に言わせると、「この村にはナイスな動物が何でも揃っている」のだそうです。小さな村ではありますが、環境を存分に楽しんでいるのでしょうね。

その3:キツイ

子供たちは舗装された道に沿って歩いたりはしません。何か面白そうなものを見つければそちらへ走っていき、丘があれば上り、障害物があれば(道沿いでなくとも)踏破し、とにかくいばら道を好みます。アトラクションの気分で楽しんでいるのか、ありあまったエネルギーを使い切るのに必死なのか定かではありませんが、とにかくキツイ方へキツイ方へと進んでいくのです。

まとめ

私の中の"常識"からは考えがたいことを次々やってのける子供たちを見ていて思ったことはうらやましいということです。何を見るにしても、何をやるにしても、リスクや汚れや世間体などを気にすることはありません。
人生を楽しむということにかけては、彼らに勝る者はそうそういないのではないかと思います。木の棒一本で楽しい気分になれるのですから、こんなに素敵なことはありません。ちょっと尊敬してしまいました。


そんな感じで半日を過ごし、今日が大晦日であることなど半ば忘れかけていたのですが、夕方ごろMさん宅に電話があり、年明けの瞬間は村の小高い丘の上に立つ教会に行くことになりました。といっても教会の中で過ごすのではなく、丘の上から花火を見るということらしいです。
なんでも年明けの瞬間に鐘を鳴らすことになっているらしく、電話をしてきた友人がその管理をしているのだそうです。
というわけで、子供たちも11時半ばに起こしてみんなで教会へ向かうことに。