Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

66日目(12月5日 木) 助言と励まし

助言と励まし

今日は最近話すようになったブルガリアの友人と一緒に学食へ行ってきました。
彼も僕もクラスの中ではどちらかというとドイツ語が苦手な部類に属しているため、「授業どれくらいわかる?」と聞いてみたところ「全然わかんないよ」とのお返事が返ってきました。
彼は、幾つかの単語から推測する...という自分とまったく同じ状態であるようです。
彼は先日まで遠くの街から通っていたのですが、先日大学寮へ引っ越してきたそうで、ドイツ人学生とルームシェアを始めたそうです。そのドイツ人学生さんは英語を話せるそうなので、授業内容について英語でレクチャーを求めたそうなのですが、その結果一瞬で内容が理解できて驚いたとのことでした。
もちろんドイツ語に触れることが重要であることは間違いないのですが、時には理解できる言語で勉強してみるといいよとのアドバイスをいただきました。

それにしても、授業が始まって一か月は経っているというのにまったく上達した気がしません。そんなこともあって自信がなくなってきているんだよね、と言ったところ、彼は神妙な顔で「いやいや、自信を失う必要なんて全くないよ。僕のおばあちゃんが言ってたんだけどね、うまく行かない時はもうしばらく耐えてみることが必要なんだよ。絶対に状況はよくなるから気にしちゃダメだ。むしろ、すべてがうまく行っていると思える時は気をつけなくちゃいけないんだよ。だから慌てる必要はない。」との偉大なお言葉をいただきました。


高校時代、部室に『逆境には忍耐 順境には用心』と書かれた色紙が飾られていました。当時は「常に安心できないとは...なんて救いのない言葉だ!」と思っていましたが、彼の話を聞いてこの標語?を思い出しました。
部活という狭い枠で見ていたときはこの世は煉獄とでも言われているように感じていましたが、人生スパンで見ると気楽になれる素敵な言葉かもしれません。何事も都合の良い時に、都合良く解釈すればいいのです。


ちなみに彼も上達は実感できないようでした。また、その隣に座っていたどちらかというとドイツ語をスムーズに話せる学生からも「僕も授業が始まる前の状態から成長した気なんてしないよ。ほんのちょっとの語彙力と文法力が身についただけだね。」とのコメントをいただきました。最初から出来ただけで、授業のおかげと感じているわけではないということでしょうか。
たった一か月で上達だなんだと考えているのは傲慢だったかもしれません。タイムリミットが一年と定まっているだけに、気持ちは焦る一方ですが、焦ってもどうにもならないものはならないわけですし、もっと落ち着いて構える必要があるのかもしれません。


彼のおかげで少し気が楽になりました。