Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

42日目(11月11日 月) カーニバル

カーニバル (また更新が遅れました。ごめんなさい。)

11月11日というと、日本ではポッキー&プリッツの日というのが日本のミーハー層の定説かと思いますが、こちらではカーニバルの日として知られているそうです。ここノルトライン=ヴェストファーレン州では、ケルンのカーニバルが有名だそうです。

カーニバルは11月11日11時11分から始まるということで、11という数字にこだわったものになっています。国際交流課では、この11時11分を見に行こう!というイベントを企画してくれていたのですが、残念ながら月曜は授業があります。しかも唯一の3コマ授業の日ですので、1400頃までは学校にいなければなりません。
「文化体験をしたい」という理由で授業を休むこともできたようですが、授業を休んだ罪悪感にさいなまれながら文化体験をしても気分がよくないだろうと思い、授業後にケルンへ向かうことにしました。幸い、カーニバルは2000時頃までやっているとの噂です。

結局、Wuppertalを出るのが1500時頃になってしまい、ケルンに到着するのは1600時になってしまいました。
もう目立ったイベントは終わってしまっているかもな...と思いながらケルンをうろうろしていると、いたるところに楽器を演奏している方々がいました。また、民族衣装...というかコスプレをしている人だらけです。

カーニバル=謝肉祭ですので、何か宗教的な概念やらが根底にあるのではないか、祭りとはいってもただはしゃぐだけではないのではないか、などと勝手に想像していましたがそんなことはありませんでした。むしろ狂ったようにはしゃいでいました。

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▲ケルン駅で電車を降りると、目の前にケルン大聖堂があります。
ここにも行進曲を演奏しながら練り歩く一団がいました。

コスプレはナポレオンのようなものからセーラームーンまでなんでもありでした。一体どんな祭りなのか、見れば見るほどわからなくなります。
若い人だけでなく、いい年をしたおじさん・おばさんもコスプレをしているから驚きです。お堅いイメージのおじさんがナポレオンのような服を着て踊り狂っていたり、肩を組んで歌を歌っていたりして、非常にエネルギッシュでした。

あとから調べたところによると、カーニバルにおける軍服姿の起源は、実際ナポレオン時代の護衛部隊にまで遡るものであるとのことがわかりました。そういえば古風な軍服以外にも、トップガン的な航空兵の格好をした若者がたくさんいたのですが、それもこのような軍服文化に乗っかったものだったのかもしれません。

実は、ケルンの街を訪れたのはこれが初めてでした。今までは乗換駅として利用してばかりで、駅舎から外へ出たことは一切ありませんでした。したがって、街の地理などわかるはずもなく、またお祭りのメインストリートがどこなのかもまったく把握していなかったのです。

あてもなくうろうろしていたところ、駅から少し離れたところに広場があり、その一帯にはあちこちに出店があり、非常に賑わっていました。「ここがメイン会場か?」と思い、ビールとソーセージを購入してしばらくそこでぶらぶらしていました。

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▲広場の様子
ちなみにビールやソーセージは祭りとはいえ、値段はインフレしていませんでした。

しばらくして、ここがメイン会場ではないことに気が付きました。というのも、広場に大型スクリーンが設置されていてコンサートステージの映像が流されていたのです。どうやらどこかにステージがあり、それを中継しているようなのです。
せっかく来たのだから、そのステージのほうへ行ってみようと思い、さらにあたりをうろついてみたところ、無事ステージを発見できました。

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▲ステージ付近の様子
演奏されている音楽は民謡のようなロックのような...
興味が湧いたので帰りにCDを買いました。

写真をご覧いただければわかるかと思いますが、すごい人の数です。先ほどの広場にもかなり人がいたのですが、こちらは尋常じゃない人混みです。コスプレの群集が歓声を上げながら踊りまくっている様は日本の祭りでは見られないのではないかと思います。これが狩猟民族の祭りか...!!

そしてもう一つ驚かされたのがこちら。

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▲大量のゴミ

日本でも祭りの後はこんな感じかもしれませんが、祭りの最中に会場がこんな状態になっているというのは驚きです。しかも、このゴミの絨毯の上でおじさんたちが踊っていたり、カップルがキスしていたりするのです。なんとも妙な光景です。

祭りスイッチがONになっているときは一切余計なことは気にならないのでしょうか。オンとオフの使い分けもここまでくると芸術的と言わざるを得ません。
最初は衝撃を受けた自分ですがそんな光景を見慣れてくると、このゴミも街を彩るデコレーションであるかのように思えてきました。不思議なものです。

とはいえ、人混みの中に長居をするのも疲れるので、街の見学もかねて路地裏へ逃げ込むことにしました。

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▲路地裏の風景

こういうちょっとした街の風景がきれいなのはうらやましい限りです。日本の風景も見慣れてしまったから退屈に思えるだけで、実はきれいなのかもしれませんが。

路地裏では古風な軍楽隊の格好をしたおじさんたちが何か演奏しながら行進していました。陽気な一団だったため興味を持ち、しばらく遠巻きに見ていました。すると、一人が列を離れたかと思ったら急に歓声があがり、その一人を取り囲んで一層楽しそうに演奏を始めました。
「何かパフォーマンスを始めたのかな?」と思い、近づいてみたところ、コスプレのおっさんが立ちションしていました。ハッチャケ過ぎです、このおじさんたち。

こういうことを若者ではなく、おじさんたちがやっているというところが面白いと思います。単に素行が悪いと言われればそれまでなのかもしれませんが、祭りの楽しみっぷりが日本感覚では常軌を逸しています。

謝肉祭がどんな意味を持つのか、ということはこの状況を見ていてもまったく分かりませんが、とにかくみんな祭りを全力で楽しんでいるということだけは分かりました。僕はこのテンションにはついていけそうにありませんでしたが、見ている分には楽しかったです。

最近は生活に慣れてきたこともあって、海外で生活しているという実感が薄れつつありましたが、今回の祭りを見て「間違いなくここは日本ではない」ということを再認識しました。

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▲大聖堂をバックに演奏する一団


以下オマケ


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▲その1 臨戦態勢のPolizisten
大聖堂裏の博物館広場には警察車両がずらり。メイン会場付近にもたくさんいました。さすがに厳重です。



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▲その2 夜の大聖堂
世界史の資料集で写真を見てから一度見てみたいと思っていました。
カーニバルの印象が強かったため今日は影が薄かったですが、帰りに見たライトアップされた大聖堂はきれいでした。今度は純粋なケルン観光にも来てみたいと思います。