Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

25日目(10月25日 金) 学食初体験

昨日夜はAPEROにてお酒を飲んだこともあってぐっすりとよく眠れたわけですが、目覚めると既に1030時を回っており、よく眠り過ぎてしまった感にさいなまれました。

 

Wuppertal大学の国際交流チームはFacebookに独自のグループを作成しており、そこでイベントやお得情報を公開してくれています。昨日のAPEROもここを見て思い出したのですが、そこにこんなことが書いてありました。

「そういえば、明日の朝(0900~1200)でSports Cardの販売が終了です。必要な方はお忘れなく!15ユーロを用意してオフィスへ行けば購入可能です。」

Sports Cardについてはガイダンスで説明を受けたような気がします。確か、一度購入してしまえば大学のスポーツ施設が1期の間使い放題というような素敵なアイテムだったはずです。特定のスポーツをやる予定があったわけではありませんが、購入しておけば発作的に運動したくなったとしても安心できるという精神的保険効果を加味して購入することにしました。値段も15ユーロ(2000円弱)ですから保険としては格安です。

が、冒頭で申し上げた通り起床時刻は1030時過ぎ、昨日はシャワーも浴びずに寝てしまったのでそういうことも含めて朝の支度をしていたら12時前になってしまいました。12時5分前くらいに部屋を出る準備が出来たのですが、オフィスは寮からかなり離れた位置にあったためこの時点で諦めてしまいました。

まぁ運動したくなったらその辺を走り回っていればいいか...ということで。

ただ、せっかく身支度はしてしまったので大学の学食に行ってみることにしました。

 

昨日書き忘れましたが、APEROの会場であるUni Kneipにて学食の献立表を発見したのです。それを見ながらスロヴァキアの友人(以下、”Jくん”とします。毎回「スロヴァキアの友人」というのもアレですし。)、Jくんと「明日の献立はなんだ?」というような話をしていました。

無論メニューはドイツ語で書かれています。ちなみにドイツ語では”メニュー”は"Speise Karte[シュパイゼカルテ]"といいます。二人とも料理名を読むことはできても意味は正確に分からないので携帯の辞書を使いながら解読していました。

「Menue2はなんて書いてあるんだ?お、どうやらこれはレモンらしいぞ!ついでにこっちはアレだ。何かハーブの類だ。つまり明日の献立は”レモンとハーブの何か”だな。ほぉ、こいつは美味しそうだ。」

などとふざけていたのですが、その料理が妙に気になってしまいました。それに、今まで一度も学食を使ったことがなく、利用法や様子が分からなかったこともあって試してみたいという気持ちもありました。

学食は大学構内でも寮に近いところに位置しています。徒歩3分で辿り着くほど近いです。学食の中はかなり広く、空席が見つからないというような事態には至りませんでした。

自分でトレーを持って料理を載せていき、レジで会計するというシステムは自分が日本で在籍している大学とほぼ同じ形式のものだったので難なく利用できました。

ただ、決まったメニューの他に小鉢的な何か、サラダバー、デザート、パンなど色々なものが置かれていて、これを組み合わせてトレーに載せて良いのかどうかはよく分かりませんでした。ちなみに献立表にはメニュー毎に金額が書かれていました。となると、あれこれごちゃごちゃ載せるのはルール違反なのかな?という気もしましたが、せっかくなのでMenue2の"レモンとハーブの何か"に加えてデザートとジャガイモ料理、温野菜セットなどを加えてレジへ持って行ってみました。

同じメニューでも学生・職員・外部利用者はそれぞれ別の値段が設定されています。なので、学生証を見せなければならないのではないかと思い事前に用意していたのですが必要ありませんでした。ぱっと見て学生料金にしてくれました。何にせよ、3ユーロ未満でした。日本円にするならば確実に500円以下なのですから、日本の大学の学食よりもお得感があります。

結局色々乗っけたにも関わらずMenue2の基本料金だったような気がします。これはお得...なのか何か別のルールがあるのか分からないので今はまだ何も断言できることはありません。

ちなみに"レモンとハーブの何か"の正体は白身魚でした。重要な部分だけ訳出できていなかったわけです。もちろんレモンとハーブだけがお皿に乗っているなどと想像していたわけではないですが。写真を撮ってこようと思っていたのですが、携帯電話もカメラも持参し忘れました。不覚...

タルタルソースめいたものがかかっていたのでハーブは打ち消されてよく分かりませんでしたが、家で冷凍物を使って作ったフライと比べればとてつもない美味しさでした。また、Döner以外に野菜の供給源を開拓できたということにも価値があります。自炊で野菜を調理するのはやはり面倒なため、ここで補給しようかと思います。

また、献立表があることから分かるようにメニューはフレキシブルです。給食のような感じです。毎日通っていても飽きるまでにはかなり時間がかかるのではないかと思いますので、これからはちょくちょく顔を出して見ようと思います。

 

さて、ご飯も食べたし12時を回ってスポーツの件は完全に諦めがついたし帰るか!と思って寮に向かっていると、後ろから誰かが走って来ました。

「やぁ!」

と声をかけてくれたのはJくんでした。彼も学食から出てきたところだそうです。学食内では見かけませんでしたが、単に広くて見つけられなかっただけかもしれません。

「例のレモンのアレ、試してみた?」

「ああ、正体は魚だったね」

早速そんな話になったので、彼も昨日の会話で気になっていたのかもしれません。ただ、彼はただご飯を食べに来たわけでもなさそうです。リュックサックも背負っていたので、何か授業があったの?と聞いてみると、

「実はスポーツカードを買いに行ってたんだよね。朝起きたら11時過ぎててさ、さぁて今日は何をする予定だったかな~?なんてのんびり構えてたんだけどギリギリで思い出して間に合ったよ。」

とのこと。何と奇遇!

「今朝は僕も同じような状況だったよ。こっちはカードの件を諦めちゃったけどね。」

と伝えたところ

「あ、でもオフィスの前に1400時までやってるって張り紙があったから、もしかしたらまだ買う事ができるかもしれないよ。」

と教えてくれました。これを天佑と言わずして何と言いましょう。この時、時刻は13時前でしたので、もし14時までであれば希望はあります。早速Jくんにお礼を言い、お金と学内mapを持ってオフィスを探しに向かいました。

オフィスは大学の端っこの建物の中で、そこまで行くのにちょっと迷ってしまいましたが、さすがに1時間はかかるはずもなく14時前には辿り着きました。

「まだスポーツカードは購入できますか?」と聞いてみると「ああ!もちろん!」とのお返事。12時が締め切りという情報が間違っていたのかと思ってしまうくらいに快く対応してくれました。

オフィスではドイツ語で頑張っていたのですが、帰り際には英語で色々説明してくれました。流れるように言語を変えられたので、最初はドイツ語が急に理解できるようになったのかと思いました。そんなわけないですね。

スポーツカードは基本的には一通りのスポーツに対応しているようですが、一部追加料金が発生するものもあるようです。テニスやらアクアフィットネスやらが対象となると説明されました。かつて水泳部だったこともあって水泳をやってみようかと思っていましたが、ちょっとややこしそうです。しかも、「水泳はないけどアクアフィットネスならあるよ」というような説明だったので実態が分かりません。

これはもう少し調べてからにしようと思います。

 

それにしても、Jくんに偶然会えたおかげで購入することができました。僕は時間に関しては諦めが早い性格をしています。というか時間にルーズなのです。友人との約束なども間に合ったことの方が少ないくらいです。先方の優しさに完全に甘えて、何とか友人関係を保つことができていますが、これがビジネスの世界だったら切腹は免れないというレベルで遅刻を繰り返しています。友人関係でもその都度信頼度は下がっていることと思いますが...。

授業に関しても、大学入学当初は緊張感を持って1コマの授業も参加していましたが、2年3年と学年が上がるにつれ徐々にルーズになっていきました。

さらに、以前は10分くらいの遅刻ならそのまま授業に参加させていただいていたことも多かったのですが、これも学年が上がるにつれて億劫になり、少しでも遅刻していたらその1コマを諦めてしまうことも多くなっていました。

今回のスポーツカードの件も同様のパターンです。一瞬で諦めていたのですが、Jくんの助言に助けられました。

 

遅刻や寝坊というのは完全に自分の問題です。自己管理能力の低さの表れといっても良いでしょう。ですから、その結果として決められた時間に遅れておきながら権利を要求することは非常におこがましいことだとは思います。しかし、だからといってあまりに潔すぎるのも良くないのかもしれません。

本来ならば授業に遅れて入る事だって失礼の極みですし、今回のように時間が決まっているところを遅れて対応していただくこともまた迷惑千万な行為です。時間を守る事ができなかった報いは、時間を守ることができる人たちが享受できる権利から除外されることであるはずです。

授業のケースでいえば、遅刻した人間には正当に授業を受ける権利はないわけです。それでも授業に来るというのなら、こそこそ教室の後ろから入って罪悪感に苛まれながら頭を垂れて聴講するのが遅刻者なのです。

遅刻者の在り方としてどちらがよりよいのでしょうか。寝坊したから授業に出ない=授業を聴講する権利を放棄することが罪を償うことに繋がるのでしょうか。それとも、遅れてでも授業に参加し、不完全な形ながら権利を行使する方が正しい在り方なのでしょうか。僕は前者が遅刻者最後の倫理であると考えていました。惨めに生き残るくらいならハラキリ、という論理に近いことを考えていたのです。

それが、今日の件によって考え直さなければならないような気がしてきました。遅れてでも即諦めずに対応する方が相手の準備に対しても自分の権利に対しても真摯といえるのかもしれません。今回のケースのように、相手は意に介していない(ように見えただけかもしれませんが)場合もあるかもしれません。変に考え過ぎずに行動してみた方がいいような気がしてきました。それも一つの積極性かもしれません。

もちろん、寝坊する自分が悪いのは百も承知です。偉そうなことを言うなら早起きしろよ!というご指摘はごもっともです。ただ、寝坊してしまった時に「さてどうすべきか」と考えてさらに時間を無駄にすることが頻繁にあったので、自分の中で今後の態度を決定しておきたいと思い、考えを整理する意味も込めて色々書いてみました。

これからは遅れても授業に参加するタイプの人間になろうと思います。もちろん、まずは遅刻しない努力からです。が、それでも遅れた時には今回脳内で作成された「新・遅刻マニュアル」に則って行動します。

何だか日記でも何でもなくなりつつありますが、一つの反省点ということで記録しておきます。