235日目(5月23日 金) Berlin ILA 1日目
Berlin ILA 1日目
今年のILAは20日(火)~25日(日)までの6日間にわたって開催されており、そのうちの前半三日間はトレーダー・業者向けとして、特別な許可証を持った方々のみ入場可能です。しかし、後半三日間、すなわち23日(金)~25日(日)まではチケットさえ購入してしまえば一般人も入場できるということになっていました。
チケットは、一日有効で22ユーロ。もし3日間参加したければこれを3枚購入しなければなりませんでした。計66ユーロ...高いのか安いのかよく分からない。私にとってはここで見られるものはかなり貴重なので、高すぎるということはない気がします。というわけで迷わず3日分購入。
購入に関しては、ILAの公式サイトから事前にクレジットカードで購入できるほか、会場についてからでも窓口で購入可能でした。
▲チケット売り場
私は、現地チケット売り場が存在することをその場に行くまで知らなかったため、事前にネットで3枚購入しておきました。が、どちらでも問題はなさそうです。
会場となるのは、Schönefeld(シェーネフェルト)空港というベルリンの南に位置する空港です。正確には、そのSchönefeld空港の西端に位置する展示飛行場を丸々利用して行われるのですが、交通機関のアクセスとしては大差ありません。
Schönefeld空港駅までは鉄道で移動可能です。そして、空港駅から会場までは無料シャトルバスが出ていました。このシャトルバスが、ものすごい台数で運行されており、ほぼ絶え間なくやってくるため、待ち時間は全くありませんでした。ありがたや。
▲シャトルバス
ちなみに、写真が前後しましたが、シャトルバスで移動してたどり着いた先にチケット売り場がありました。
イベント会場が何時ごろから運営開始されていたのかは定かではありませんが、最初の飛行展示はだいたい1030時からでした。私は、3日間とも大体11時くらいには会場にいられることを目指して行動しました。
イベントプログラムは事前に公式webサイトで確認、印刷しておいたのですが、案外流動的なようで、当日になったら全く異なるプログラムでイベントが行われていたりします。そのため、公式サイトでも推奨されているように、スマートフォンにILAのアプリをダウンロードしておいた方が安心できます。
こちらでその都度最新の情報を入手することができます。
さて、前置きはこの辺にして、そろそろ内容の話を。
初日は、駅からシャトルバスが出ていることも知らなかったため、不安な状態でSchönefeld空港駅へ電車で向かいました。到着してからはいい意味で期待を裏切られ、安心しました。
バスで10分ほど走ると、徐々に会場が見えてきました。窓から外を覗いていると既に何か飛んでいます。ちらっと見えた姿はMi-18っぽかったのですが、そんな予定があったかしら?
この時点ではwebサイトで事前に印刷しておいたプランが最終的なものだと思っていたために色々勘違いをしていました。
▲入口
既にチケットは購入済みであったため、窓口の列に並ぶこともなくスムーズに入場できました。
入口でチケットのQRコードを読み込まれ、確認手続きが終わった後は簡単な持ち物検査がありました。カバンの中身を検査員に見せ、空港にあるような金属ゲートをくぐります。空港で行われるものと比較すればそこまで厳格ではないのですが、まさかこんな検査があるとは思っていなかったため驚きました。
これを終えると、ようやく会場入りです。
▲会場内 なんと広い!
この写真はエプロンを写したものですが、この脇に建物がいくつか立っており、その中にはいくつもの企業ブースがあり、各種技術・商品展示がなされていました。
持っていたのがちっちゃなデジカメであったことと、航空機の写真を撮り慣れていなかったことから初日はお粗末な写真が多かったのですが、一応何とか見れるものを紹介します。
会場に入って最初に行われた飛行展示はJAS-39グリペンでした。いきなりとてつもないものが見れそうです。
▲初日の写真の中では比較的まともだった一枚
グリペンはスウェーデンのサーブ社によって設計された航空機で、やや小型の短距離離陸能力に優れた航空機です。というのも、コンセプトとしては空港・正式な空軍基地が機能しなくなってしまったとしても、トンネルと高速道路などを野戦飛行場のごとく使用して離着陸が可能なことを目指したものだからなのだそうです。個性的な航空機ですね。
日本でのF-X選定時にも何度か話題に上っていたような気がします。どこで読んだか失念しましたが、日本の航空自衛隊基地はそのまとまった配置や何やらから先制攻撃をされてしまえばひとたまりもないような構造をしているらしく、現状打たれ弱いという性格があるのだとか。また日本の独特な山だらけの地形の中で、仮に航空基地が破壊されたとしても持続的に航空機を運用するのであればまさにグリペンのようなコンセプトが合致する...とかなんとか。コンセプトそのものも専守防衛向きな気がしますし、そんな話を聞いて思わず納得してしまいましたが、正式に候補に挙がったことはなかったようですね。
そんな小さくてかわいいグリペンなのですが、実際に飛行しているところを見ると何とも力強く、迫力がありました。機動力も凄まじく、かわいいなどと言っていられなくなりました。
グリペンの後も飛行展示は断続的に行われているのですが、その都度空を見上げているとそれこそキリがないというような状態であったため、自分の興味のある機体が飛んでいる時以外は地上展示見学に時間を充てることにしました。
▲トルコ空軍のF-16
イベント2、3日目に「Solo Turk」として、ソロアクロバット展示飛行がありました
ところで、この日は暴力的なまでの晴天で、ものすごい日差しが強く、暑かったのです。私は、ベルリンはWuppertalよりも涼しいと思っていたために長袖シャツしか持ってきておらず、またこの日に至っては上着まで羽織っていたために蒸し殺されてしまいそうでした。
そこで、お土産がてら会場で半袖シャツを調達することにしました。
そんなときにこのSolo-Turkのチームのブースを見つけました。トルコ空軍と聞いても何もイメージできなかったのですが、帽子とポロシャツを購入しました。帽子のおかげで幾分か楽になりました。
▲UAVかな
▲ユーロファイター
トーネードとユーロファイターは国際共同開発機で、どちらも英・独・伊を中心として開発された航空機です。戦後開発された航空機としてはドイツにおける代表的なものですので、ドイツに来てユーロファイターを見るというのは、ベルリンに行ってブランデンブルク門を見るように、ある意味では典型的ツーリズムと言えなくもないかもしれません。
▲連邦軍ブース 故郷・安全・団結
などと、ドイツ連邦軍地上展示エリアをうろついていたら初日午前中の目玉イベント(私の中で)の時間になってしまいました。
▲Mig-29
ミグと言えば、スホーイやツポレフ等々とならんで名高いロシアの航空機メーカーです。朝鮮戦争の折には、Mig-15という傑作戦闘機を生み出し、米国を恐怖に陥れました。一瞬だけ。結局その後F-86が登場し、絶対的優位は崩れてしまったのですがそれはまた別のお話しということで。
Mig-29は東側諸国に数多く輸出されていたそうです。ここにいたのはポーランド空軍のMig-29でした。
日本ではまずお目にかかることはない航空機ですので、これは胸熱です。なにより見た目がいい。
▲タキシング中
▲着陸
飛行中にはまともな写真が取れなかったため、皆さん脳内で補ってください。
ミグで大喜びしていたら、脇ではレシプロ機の離陸準備が進んでいました。
▲F4Uコルセア
来ました!WW2機!これが見てみたかった。いや、これ"も"見てみたかった。
▲展示飛行はB-25と一緒に
B-25は、先日英国のRAF博物館を見学した際にも目にしましたが、まさか飛行する姿まで見られるなんて!信じられない光景!
ちなみに、展示飛行を始めとして会場内には常に独・英語のアナウンス放送が流されています。F4UとB25が飛行した際には、ドゥーリットル爆撃隊の話など日本にゆかりのある話が放送されていました。しみじみ。
そういえば、アナウンス放送は割とフランク?で、ドイツ語放送役の方と英語放送役の方が二名で担当していたようなのですが、時折相方の放送に「いや、そこ違うでしょ?」みたいなツッコミを入れていたりして、かつそれが放送されていたので面白かったです。
落し物連絡の際も、「○○からお越しの□□さん、先ほど△△であなたの身分証明書が見つかりました。至急取りに来てください。身分証がないと死にます。」みたいな、冗談を交えたりしていて軽い感じ。非常に親しみを覚えます。
▲フランスのアクロバットチームの飛行などもありつつ...
続いて休みなくメインイベント!
▲Me-262
当ブログでは、ミュンヘンドイツ博物館にて1回、そして英国RAF博物館にて1回と計2度写真で登場していますが、あのMe-262がベルリンでは飛んでしまうのです!
ただ、当時の機体そのまま...というわけではなく、メッサーシュミット社と米国の機体復刻チームが共同で作業に当たり、復活・保存している機体らしいですが、だとしてもこんなものを見れる機会はそうそうありません。何より、第三帝国時代の遺産がドイツの首都で飛ぶというのですから驚きです。
もちろん、戦闘の華々しい記録よりも、技術的革新性・戦後の技術開発への貢献という点が、当機を際立った存在としている主な理由で、おそらくそれ故に復活プロジェクトもスムーズに進んだのでしょうが、だとしても生み出した主体は第三帝国であるはずで、これはどうなのだろうかと思ってしまう部分もあります。
ミリタリー趣味者の本音としては、どんな形であれ飛行している姿が見られるのは嬉しいことなのですが、兵器の扱い方・扱われ方は難しいものですね。
▲飛び立つところ
例によって飛行中の写真はロクなものがないので、各自youtubeで動画を探すなど、異なる方法でより上質な視覚メディアに触れてください(すみません)。
この後は、
▲ベル47 初の傑作ベストセラーヘリコプター
などを挟み、Willfireと名付けられた連邦軍の演習展示飛行がありました。
▲フィナーレ
ちなみに、こちらに関しては連邦軍公式サイトにてより良い映像・写真が見られます。
こちらから。
まだいくつかイベントが残っていたのですが、この日は強い日差しの中長袖でいたために疲れ果て、少し地上展示を見てからホテルに帰りました。
続きは「Berlin ILA 2日目」にて!