Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

186日目(4月4日 金) イギリス旅行 その1 ~Wuppertal → Heathrow → Dorchester~

イギリス旅行 その1 ~Wuppertal → Heathrow → Dorchester~

当初予約した航空券ではこの日のお昼ごろにはヒースロー空港についている予定だったのですが、代替便の都合で、フランクフルト14時発の便になってしまいました。
デュッセルドルフ発を希望していた都合から、代替便の航空券にはデュッセルドルフ発フランクフルト行のICEのチケットも含まれていました。

が、事前に手元にあるのは予約確認書のみです。航空券のチケットは空港についてからチェックイン処理をして入手するらしいことは知っていましたが、電車のチケットはどこで入手するのでしょうか。

実は、デュッセルドルフ発の航空券を予約した際に、空港まで下見に行ったことがあったのですが、その際にLufthansaのチェックインマシンのようなものをデュッセルドルフ中央駅にて見つけていました。その時に端末をいじったところ、まだ「発券可能時期ではありません」というような案内が返ってくるだけでしたが、おそらくコレだ!と目星をつけていました。

早速そのマシンのもとへ行って自分の予約番号を入力してみたところ、今回は手続きがそのまま進行しました。やはりこれで間違いなかったようです。

自分の予約番号、氏名に続いて、パスポートを機械にスキャンさせることで本人認証を行い、自動的にチケットを発券してくれました。パスポートを機械に読み取らせるなんて初めてだったのでびっくりしました。

てっきりフランクフルトまでのICEチケットだけがここで手に入る物と思っていましたが、ヒースロー空港までの航空券もその場で一緒に入手できました。これでチェックイン手続は一通り終了した、ということになるようです。

時間もちょうどよかったためプラットフォームへ向かったのですが、電光掲示板によく分からない情報が表示されていました。

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▲出発時刻も行先も同じ電車が二本?


ICEは通常上側に表示されているように「ICE625」というような番号が表示されます。ところが、先ほど発見されたチケットには「LH3649」、つまり下側に表示されている方の番号が印字されていました。

LHLufthansaのことだと思うのですが、まさかLufthansaが独自に電車を運行しているわけではないだろうし、どういうこっちゃ。時刻表を改めて確認してみるか、と思い案内板の前であれこれ確認していたところ、近くにいたおじさんが「何かわからないことがあるの?」と声をかけてくれました。

そのおじさんに尋ねたところ、ICE625とLH3649は全く同じ電車を指しているということでした。LH経由でチケットを購入した人用にLHナンバーで表示されていたのでしょうか。理由はよく分かりませんが、とにかくこれで不安はなくなりました。
おじさんは丁寧にも「君の予約席はここだから、プラットフォームのこの辺で待っていればスムーズに乗れるよ」という情報まで教えてくれました。ありがとうおじさん。

これでまずフランクフルトまでは無事に到着できそうです。


ICEに乗り込み、指定された席まで行ってみたところ、なんと個室でした。個室なんで初めてです。

代替便予約の際には、当初予約した便の料金を既に支払っていたため、その金額で予約できるものが選択肢に入っていたようなのですが、これはもしかするとかなり贅沢なプランだったのかもしれません。といっても、出発地を変更されてしまったのであまり嬉しくはないのですが。

フランクフルト空港はかなり大きくて、初心者は抜け出すことも困難な迷宮という噂を聞いていました。東京駅で目的の出口にたどり着くのに20~30分かけたことのある私はこの噂に心底恐怖していたのですが、ICEの駅からはスムーズに目的のターミナルまでたどり着くことができました。なんという拍子抜け。

遅れることもなく無事登場手続きを終え、ヒースロー空港まで辿りつくことができました。

そうそう、これも予約した際には気に留めていませんでしたが、ビジネスクラスでした。座ってから気が付きました。ラッキー!代替便スゴイ!と思うと同時に、これなら最初からフランクフルト発で安い便を探しておけばよかったというような気にもなってきました。おそらくデュッセルドルフ発にこだわらなければもう少し選択肢はあったはずです。まぁでもこれも一つの経験ということで。


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▲ヒースローに到着して驚いたこと。SIMカードの自動販売機。が、今回はアナログ旅ということでスマートフォンは目覚まし時計機能を除いて封印!

ヒースロー空港には時間通り到着しましたが、その後もゆっくりしていられません。到着初日は、西部のDorchesterという町まで行くことになっていました。宿も押さえてあります。事前に調べた情報では、ロンドンの大型駅から電車が出ているということだったので、まずはロンドンへ向かおうとしていたのですが、ヒースロー空港の中で迷ってしまい、そこへたどり着くことすらままならない状態でした。

早速アナログ力を試されているに違いない!と思い、あちこちで尋ねてみることにしました。

まずは、Central Bus turminalで。
ロンドンにもDorchesterというところがあるらしく、それと勘違いされかけましたが、「いや、西の方のdorset州のDorchesterです」と伝えると、「そこまで直接行くことはできないから、まずは大きな鉄道駅を目指すと良いよ」と教えてくれました。そこまでは、地下鉄が出ているからそっちに行ってみるべし、ということだそうです。

地下鉄といってもあれこれあってよく分からないので、パッと目についたHeathrow Expressの係員の方に尋ねてみました。直接いけないということは教えてもらえるのですが、知りたいのはそこまでの乗り継ぎ方です。が、Heathrow Expressはその名が示す通りローカル線ですので、そこで目的地までの行き方を教えてもらうのは難しいようでした。
手元に、出発前にgoogle mapを使って調べた際のメモがあったためそれを見せつつ「途中まででもいいのでなんとかなりませんか」としつこく聞いていたら、「あ、このReadingという駅までならここから行けますよ」と教えてくれました。おお!やった!

その場でチケットを購入し、まずはReadingまで向かいました。Readingはそこそこ大きな駅で、そこからは窓口で改めて目的地までの電車を確認しました。

ところで、チケット窓口って時々ガラス越しにマイクで対応するような形になっているものがありますよね。あれって周囲の騒音も相まって何を言っているのかよく分からないことってありませんか?日本でもそういう経験がありましたが、今回は英語ですのでなおさら何を言われているのかよく分かりませんでした。
とりあえず今度はDorchesterの駅までの切符を購入することができたので、適当に「アッハイ」というような対応をしてしまいましたが、何か注意事項があったのでしょうか。

空港内で迷ってしまったこともあって、予定よりかなり遅くなってしまいましたが何とかDorchesterまではたどり着くことができそうです。

もう乗り換えもないな、と思い安心して少し寝てしまいました。気が付いたら周りには誰もいません。やってしまったか!これはまさか車庫行きか!?と思いましたが、窓の外を見る限り駅のようです。状況をそれもまだ終点というわけではなさそうでした。状況を呑み込めないでいると、前から係員っぽいおじさんがやってきました。
「おい君!何をしてるんだ!こっちこっち!早く!」と手をこまねいています。よく分かりませんが、この電車を降りないとマズイらしいです。乗り換えはないはずなのですが...。
慌てておじさんのもとに向かうと「いいか?ここからは前3両しか目的地まで行かない。この車両を含めて後ろの車両は切り離されてしまうから前まで走るんだ。さぁ行け!」というようなことを言われました。
ああ、そういうアレか!ここでようやく状況を理解しました。ダッシュで前方へ向かったところギリギリ間に合いました。危なかった。おじさんありがとう!

そんなこんなで、22時を過ぎたころ、なんとかDorchesterまで辿りつくことができました。宿のチェックインが2130時までと予約した書類に書かれていたため焦って宿に向かいましたが、結局2230時ころになってしまいました。

「遅くなってすみません!」と急いで受付に向かったのですが、お叱りを受けるどころか「いやいや、気にしないで。それより大丈夫だった?」と心配していただきました。申し訳ない限りです。

こうして初日の目標、「Dorchesterへ辿り着く」は達成されましたが、アナログ方式を試してみたことで色々考えさせられました。



まず、端末を見て情報確認をする代わりに人に尋ねるという手段を取るため、必然的に人と話す機会が増えます。これは語学学習にとっては有益なことだと思います。さらに現地の人の雰囲気を知ることができるという点でも、人と話す機会が多いのは良いことです。
しかし、その分多くの人に迷惑をかけてしまっているような気もします。
駅の職員やらそういった方であれば、質問に答えるのも業務の一環でしょうし問題はないのかもしれませんが、いつも券売機とスマートフォンで済ませていた私はそんなちょっとした質問をすることに対しても申し訳なさを感じてしまいました。

それから、出発前に予定が完成していないというのはかなり不安です。この日は、目的地がDorchesterであること以外は大した情報を持っていませんでした。google mapで調べた簡単な経路図はありましたが、それだけではどうにもなりませんでした。現地の方々から得られた情報によって"目的地までたどり着かせていただいた"といったところです。

とはいえ、現地で生きた情報を得て旅をするのは非常にスリリングであると捉えれば、この不安も楽しみ甲斐のあるものなのかもしれません。しかし、同時に他人の好意に甘えっぱなしであるという点には変わりありません。

一切他人に迷惑をかけずに何かするのは不可能ですから、いっそ開きなおって「私旅人で何にもわからないんで教えてください!」という態度を貫いてしまった方が気が楽なのかもしれませんが、どうなんでしょうか。まだアナログ旅に慣れていない私には正解が分かりません。

あまり人にあれこれ尋ねてばかりだとggrksと言われてしまいそうですが、今回はこれで一週間色々見てきます。

明日は第一観光目標の戦車博物館です。