Wuppertal 留学日記

2013年10月から1年間、交換留学でドイツへ行く機会に恵まれました。体験談などを書き残していきたいと思います。

目的

ドイツへの留学の意思を決定したのはちょうど一年ほど前になりますが、その時に自分の中で定めた目的を書いておきます。
ちなみに、ドイツ滞在は今年2013年の10月1日から来年の9月頃までになるはずです。
ただ海外で一年過ごしただけ(それでもスゴイことだとは思いますが)で終わりというのではもったいないと思うので、以下の目的意識を持って生活・勉強していきたいと考えています。



①生活力の向上、自律

地元の大学に進学した関係もあり、僕は今まで実家から通ういわゆる"自宅生"でした。一人暮らしの経験がないということは、それを経験している学生と比べて自分一人の力で自身の生活をマネジメントする力に欠ける部分があるということになるのではないかと思います。もちろん、自宅生でもしっかり自立した生活をしている方も多くいらっしゃるとは思いますが、僕の場合は親に朝起こしてもらったり、料理・洗濯といった手伝いも一切していなかったりと、割と堕落した生活を送っていました。
海外留学ともなれば、そういった家事一般も含めて完全に自己責任ということになります。
これは、自分を鍛える上でも絶好の機会だと思いますので、細々した生活維持活動をも怠ることなく行っていくことで、生活力の向上を目指します。
自分が極めて未熟な人間であることは自覚しています。このような状態のままでは社会に出ることすらままならないのではないかと思います。そこで、一種の訓練期間としても、この留学期間を利用したいと考えています。



②経験値を増やす

大学ではサークル活動を通じて自転車で日本国内あちこちへ出かける機会がありました。大学入学まで、県内どころか市内から外へ出ることすら稀だった僕にとって、国内旅行でさえも刺激的な経験となりました。

その国内旅行の延長として、一度だけサークルの仲間と台湾へ旅行したことがあります。現地で自転車を購入し、それに乗って台湾中を観光したのですが、この経験が今回の留学を決意した一つのきっかけとなりました。
台湾では初めて日本語が通用しない環境での生活を体験しました(実際は高齢者の方など一部話せる方もいますが...)。一週間という短期間ではありましたが、意志の疎通ができない際のもどかしさ、コミュニケーションを取ることができた際の喜びや、また国民性や生活様式の違いに驚かされることも多く、様々な事を体験し、学ぶことができました。
その経験を受けて、長期の海外生活をしてみたいと考えるようになったのです。
馴染みのない海外で生活することで、単純に様々な経験ができるだけでなく、アウェイな環境をいかに乗り越えるかというノウハウも学ぶことが出来るのではないかと思います。僕の場合、経験値を増やす主な目的はこの危機への対処力の向上にあります。

「いかならむ ことある時も うつせみの 人の心よ ゆたかならなむ」

と、明治天皇が詠んだそうですが、このような心境を目指す為にはなるべく多くの"意外な事"と出会っておく必要があるのではないかと考えています。想定外の事態と多く出会い、それを対処していくことができれば何事にも動じないような強い心を得ることができるでしょう。そして、その"意外な事"と出会う為には自分の生活圏を出てしまうのが手っとり早いはずです。海外留学などはまさにうってつけの環境というわけです。



③日本との意識の差を学ぶ

"意外な事"に出会いたいのなら、インドへ行くのが大学生のトレンドなのでは?と思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
僕がドイツを選んだ理由は、①、②に加えてこの③の目的を果たすことが出来るからです。
唐突ですが、僕は戦争(第二次大戦)観というものに興味を持っています。第二次大戦(日本の場合は太平洋戦争というべきかもしれませんが)といえば、日本にとってはほぼ完全に黒歴史といってよい出来事であり、またそれが原因で近隣諸国とも未だに軋轢が生じています。
敗戦によって加害者という立場で国際的に裁かれていることが、上記の出来事の一つの原因となっているはずです。
敗戦、加害者といえば、ドイツはどうでしょうか。
ドイツは今ではEUを牽引する存在であり、一見するとかつてのヒトラーによる大戦という日本以上の黒歴史を乗り越えているかのように見えます。
この裏には、戦争責任問題や戦後処理関連の仕方など複雑な問題が多く絡んではいるのですが、一市民の感情として戦争をどう捉え、これを精神的にいかに消化しているのでしょうか。その辺りのことに興味があったため、留学先をドイツに決定しました。
ちなみにドイツ語がペラペラとかそういったことは全くありません。

何だかまとまりのない文章ですが、とにかく自分の中ではこの3つが留学を決定した動機となっています。
ただ、③に関してはいきなり前面に出していくと色々誤解を招くきっかけになりかねないので、人知れず史跡を訪れるような形で細々と達成していく予定です。


お堅い話になりましたが、簡単に言えば欧州へ来ればいろんな国へ行けて楽しそうだな!ということです。
あと、僕はオペラが好きなのでそういう方面でも満たされそうですし、何にせよまずは色々やってみます!